2008/04/22

社会進出する女性の新たな投資感覚

社会進出する女性の視点は、男性よりも全体的

女性は一般的に、男性よりも感情的であると言われている。しかし、金融アドバイザーによると、経済が悪化するほど実際はその逆になるとのことだ。女性と富に関する数多くのステレオタイプが、これまで、ビジネスにおける女性の地位向上を妨げ、彼女達は自分の富を独自に管理してきた。専門家や富裕層サービスに携わる人達によれば、富裕層男性とは違い、富裕層の女性の興味を惹くことは一筋縄では行かず、特別なアプローチが必要であるという。

新たな観点

いずれ、富裕層向け資産管理ビジネスを行う各社が、女性特化のサービスを考えるほど富裕層女性の数は増えるかもしれない。

現在の傾向が続けば、それは予想以上に早く現実になるだろう。実際、ニューヨーク、ラインベックのPhoenix Marketing International社によれば、ニューヨーク州の富裕層女性の数は、2004年から2007年の間に、７０％増加している。Phoenix社の去年の予測では、２００万ドル以上の投資可能な資産を持っており、世帯資産運用の意思決定権を持っているもしくはシェアしている富裕層女性は、この州に１１万人存在している。

理由の１つには、サイレント・ジェネレーションの女性達が、夫よりも長生きしていることが挙げられるが、より多くの女性が起業で成功したり、ビジネスでの高いポジションを獲得していることも事実である。マンハッタンを中心に活動しているHNW Inc.社が2007年に行った調査によると、８８％の富裕層女性が、投資を含む、なんらかの収益源からお金を稼いでいる。

そして、多くの金融会社が、富裕層女性に合ったサービスを開発するために、研究を始めている。

例えば、家族の面倒をみたり、慈善活動をサポートするなど、一般的に女性は、他人の世話をすることに関心がある。富裕層女性は男性よりも、自分の子供に奉仕の精神を教えること（女性８９％：男性７４％）や、社会貢献を教えること（女性６７％：男性５１％）が重要だと考える傾向にある。

この調査結果と一致するように、Lehman Brothers社では、女性をターゲットとしたプログラムを導入しており、様々な地域で、慈善活動や、子供と信頼などをテーマとしたセミナーを開催している。

更なる事実：　女性には特有のコミュニケーションスタイルがあり、相互関係を築くことをより好む

Descano氏によれば、Women & Co.は、いくつかのテレセミナーや会話構築マスタークラスを開催している。

「男性がより個々取引に注視したアプローチをするに比べて、女性は全体的な財務計画に注視する傾向にある」と彼女は言う。

さあ、取引を始めよう

しかし、富裕層の男性と女性の違いが常に期待どおり行くとは限らない。例えば、女性は買い物好きだが、高級品にはあまりお金を投じない。予算に余裕があるときでさえ、両者は対照的だ。

「私の行った調査では、男性の方が一貫して、女性よりもその１／３以上、支出が多かった」と高級品市場の消費行動レポートを書くペンシルバニア、スティーブンスにあるUnity Marketing社社長、Pam Danziger氏は言う。「中流階級が（富裕層女性）がこんなにも自分達の習慣や行動指針に則っているとは驚きだ。」

投資となれば、女性は従来、男性よりも保守的であると言われてきたが、それは社会で成功した女性にはあてはまらない。企業家精神にあふれた女性は、男性と変わらずリスクをとることを厭わない。

「私はリスク嫌いではありません。」マンハッタン、 Leibler Bronfman Lubalin Advertising社CEOのBeth Bronfman氏は言う。「リスクを冒したくないのであれば、会社など立ち上げません。」

教養のある女性達

さらに、富裕層女性に金融サービスを提供する企業はアプローチを代える必要があるとは限らない。

「もし、女性を、世間知らずで、洗練されていない投資家だと思ってそのような扱いをしたら、しっぺ返しを食らうことになる。」と、Lehman Brothers社の戦略富裕サービス部門長のHolly Isdale氏は言う。

金融サービス会社がよく理解しているように、女性は一般的に義理堅い顧客だ。女性を惹きつけるのは大変だが、一度顧客にできれば、大きな利益をもたらしてくれる可能性が高い。

「裕福な女性は、アドバイザーを探す際にとても慎重だが、一度特別な関係を築いてしまえば、とても忠実な顧客になる」と、 Phoenix affluent practiceのマネージングディレクター、David Thompson氏は言う。

裕福な女性と、金持ちの男性

デモグラフィーでは、裕福な女性は、

・より若い　（平均５８歳：男性ー６３歳）

・より早い引退を考えている　（会社員での平均；６３歳ー男性６７歳）

・より未婚者(離婚者含む)が多い　（２１％－男性１３％）

・よりマスター取得者は少ない（２８％－４０％）、また、より高卒者が多い（１１％－４％男性）

行動特性では、裕福な女性は、

・より、自分の資産が過去５年で２０％以上増えたと感じている人が少ない　（７６％：男性ー８２％）

・より、自分の退職準備が整っていると感じている人が少ない　（８７％：男性－９６％）

・より、自分の金銭的な成功がストレスや不安の解消につながると考えている人が少ない　（６９％－男性：７６％）

・より、お金を貯めれば幸せになれると考えている人が少ない　（４４％：男性ー５３％）

・より、子供に奉仕を教えることが重要であると考えている（８９％：男性ー７４％）、また、子供に社会貢献を教えることが大事だと考えている（６７％：男性ー５１％）

・より、退職した際に社会保障が無い場合、家計に大きな影響をあたえると考えている人が多い（４１％：男性ー３２％）、また、株価の低下が家計に大きな影響をあたえると考えている人が少ない（５０％：男性ー６２％）

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