2008/04/23

リシュモン、第４四半期の売上増加が加速

カルティエ(Cartier)のネックレス、ピアジェ(Piaget)の時計などの売上が伸び、世界最大の宝飾メーカーであるリシュモン(Compagnie Financiere Richemont SA)の第４四半期売上成長が加速した。

ジュネーヴを本拠地に置く、リシュモンが４月２３日に発表した年間実績によれば、３月３１日までの過去３ヶ月で、売上は１１％上昇し、１０億８千万ユーロ（１７億ドル）に達したとのことだ。

ヨーロッパと中東からの売上は、１７％上昇し、４億４８００万ユーロになり、第３四半期の１０％上昇から、さらに加速した。ヨーロッパと中東は、リシュモンの売上の半分を占め、１億８１００万ユーロに終わった北南米地域の停滞気味の売上の補填をしている。

「アジアの売上は予想通りだったが、ヨーロッパがこれほど好調になるとは思わなかった」と、ジュネーブ、Fortis Private Banking のストラテジストであるGuillaume Duchesne氏は言う。Fortis Private Bankingは、ここ数ヶ月、リシュモンの株式を売却していた。「多分、景気停滞はまだ、富裕層にまで及んでいないんだろう。」

リシュモンの発表によれば、ヨーロッパでの売上は、「確立した市場では安定した成長見せ、中東を含む開発中の市場では、２桁成長を見せた。」

リシュモンは、チューリッヒ市場において午前１１時２７分、１．５スイスフラン、２．６％上昇し、５８．９０フランとなった。これは、今年の２４％の株価下落を緩和した。

時計輸出

「この堅調な成長は驚きだ」、サラシン銀行アナリストのPatrick Hasenboehler氏は言う。「投資家はまだ高級品市場の短期的予測に懐疑的だが、我々は、この売上はリシュモングループの株価回復のきっかけになると考えている。」

為替の変動を除けば、年間売り上げは１６％上昇したと、リシュモンは発表している。アナリストの平均では、１４％の成長が見込まれていた。

リシュモンは、米国エリアの売上は全体の１/５を占め、為替の影響を除けば、第４四半期売上は、大きな回復を見せたと発表した。

日本での売上は、４．６％減少し、１億４５００万ユーロとなり、前年同時期と比べると円換算で、「僅かに下回った。」

製品では、売上の半分が宝飾品であり、２５％が時計だった。

スイス時計協会は２２日、３月の時計輸出量は０．５％増加し、過去３年で最も低調な成長だったと発表した。先月の輸出額合計は、１２億スイスフラン（１２億ドル）であり、米国向け出荷は１５％の下落と、過去７ヶ月で初めての下落だった。

価格上昇

2007年の時計の輸出は、中国や香港に後押しされ、１６％伸び、過去１８年で最も早いペースだった。世界最大の時計メーカーであるスウォッチグループ（Swatch Group AG）は１月、中国、インド、中東でブレゲ(Breguet)やブランパン(Blancpain)などの高級時計の販売が伸びた結果、１８％の売上増加を発表した。

リシュモンの第４四半期では、ドルはユーロに対し、平均１２％下回り、多くのヨーロッパ高級製品メーカーは、利幅確保のためには、現地通貨での取引はよりコストをかける結果となった。

ケリーやバーキン・ハンドバックメーカーであるエルメス（Hermes International SCA）は、１月、日本での価格を１０％値上げした。このパリを拠点とする会社は、住宅問題が原因で高級ジュエリーやファッション消費が冷え込む恐れのある米国においても、値上げを実施した。

世界最大の高級品メーカーである、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton SA)は、４月１５日、アナリストの予測を上回る５％の第１四半期の売上増加を発表した。

リシュモンの発表には、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco Plc.)株の分割譲渡計画は含まれていなかったが、当社は１１月１９日、ルクセンブルグでの持ち株会社への優遇生成措置が2010年に終了する前に BAT株を手放すかもしれないと発表していた。

リシュモン、第４四半期の売上増加が加速

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