2008/05/14

ファッション業界の億万長者

富とファッションといえば、お決まりの名前があがってくるだろう。ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)、そして多分、ベネトン(Benetton)も。

アマンシオ・オルテガ(Amancio Ortega)氏はどうだろう？彼の名前を聞いたことがないだろうか？当たり前かもしれない。口コミが全てのこの業界の頂点に君臨しているにも関わらず、オルテガ氏はマスコミに前では話をしない。そして、彼の経営する世界的なファッション会社で巨万の富を築いたにも関わらず、彼は滅多にネクタイをつけず、いつもジーンズ姿だ。

鉄道員の息子に生まれ、彼は４５年前、妻の助けを受けて、リビングでドレッシング・ガウンとランジェリーを作り始めた。今日、それはザラ(Zara)のような有名チェーン含み、６８カ国、3,825店舗を持つ最大手ファッション会社、インディテックス(Inditex)となった。その利益でオルテガ氏は、フォーブス(Forbes)３月号の世界長者番付で、第２２位に輝いた。彼の総資産は２０２億ドルと見積もられている。

これはファッション業界において皮肉なことであるが、ブランドやデザイナー、スーパーモデルの名前は知られているが、ほとんどの場合、実際にファッションショーを運営している人物の名前は知られていない。運営資金を出資し、そこからまた大きな売上をあげているが、彼らの名前は認知されないままだ。

ファッション業界の億万長者をもう一人、ステファン・パーソン(Stefan Persson)氏。誰かって？ヒントは、２６年前、父親が始めた小売会社へネス＆モーリッツ(Hennes & Mauritz)を引き継いだスウェーデン人。まだわからない？今日、彼のチェーン店は、H&Mとして有名だ。カール・ラガーフェルド (Karl Lagerfeld)氏のような有名デザイナーを積極的に呼び込み流行にあわせた商品を低価格で売り出している。結果、売上は大きく伸び、彼は億万長者となった。会社の昨年１年の業績は１５０億ドルを数え、彼の総資産は１７７億ドルと見積もられている。

アラン(Alan)氏とジェラルド(Gerard)氏のヴェルテメール(Wertheimer)兄弟はどうだろう？彼らは、祖父とココ・シャネル(Coco Chanel)の立ち上げたシャネル(Chanel)を経営している。シャネルブランドは、アーティスティック・デザイナーのカール・ラガーフェルド氏のもと、世界で最も人気のあるブランドのひとつとなっている。シャネルの次のターケットは中国であり、最近の調査によれば、シャネルは中国人の間でも高ブランドとして人気があることがわかっている。

柳井正氏は、時価総額３６億ドルのユニクロを立ち上げた。ユニクロは、時には日本版ギャップ(GAP)と呼ばれる、衣料ディスカウントブランドである。彼の名前を聞いたことがないだって？そうかもしれない。柳井氏の目は今、海外に向いている。ユニクロは、2006年後半、ニューヨークSoHoにただっ広い旗艦店を構え、2009年にはパリに同様の店舗を作る予定だ。柳井氏は、世界展開と共に、ターゲットをより上層の顧客にしようと考えている。昨年、ファッションに強いデパートチェーン、バーニーズ(Barneys)の獲得には失敗したが。

さらに、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)氏。彼はフランスでは有名だ（フランスは長者番付１位）。彼は、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton)のオーナーであることで知られており、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、フェンディ(Fendi), トーマス・ピンク(Thomas Pink)、ダナ・キャラン(Donna Karan)などのブランドを保有している。

アルノー(Arnault)氏は、２５５億ドルの資産を持ち、３月の世界長者番付では第１３位、ファッション業界の中では第１位だったにも関わらず、彼のキャリアのスタートはそれほど輝かしいものではなかった。エンジニアとしての訓練を受けたが、彼は家族経営の建設会社の資金でクリスチャン・ディオール(Christian Dior)を買収し、高級品業界に進出した。ファースト・ラーナー（飲み込みの速い人）である。

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