2008/10/22

ドバイ：西を目指すホテルグループ

欧州・米国地域が世界的な金融危機に苦しむ一方、中東の企業は、ホテル産業のポートフォリオをそれら地域に拡大しようとしている。

ドバイ(Dubai)を拠点とする、ジュメイラ・グループ(Jumeirah Group)は、先週、スコットランドのグラスゴー(Glasgow)に５つ星ホテルをオープンする計画を発表した。

「我々はグループ全体での国際的な拡大を目指している。グラスゴーのホテルはマネジメント契約にする予定だ」と、ジュメイラ・グループのエグゼクティブ・チェアマンであるジェラルド・ローレス氏(Gerald Lawless)は言う。

グラスゴーのホテルは、金融地域に２５階建てのビルとして建設され、これはジュメイラではヨーロッパで５番目のホテルとなり、2011年のオープンが計画されている。また、この建物には、１６０のホテルルーム、８５の住居用施設、６３０席のダンスホールが用意される予定だ。「これまで、我々の英国での業績は、厳しい経済情勢にも持ちこたえており、第3四半期は非常に好調であった」とローレス氏は言う。

ジュメイラ・グループは、これまでに、英国の２つのホテル　―ジュメイラ・カールトン・タワー(Jumeirah Carlton Tower)と、ジュメイラ・ローレス・ホテル(Jumeirah Lowndes Hotel)　―　を所有している。「我々はこれからも積極的に、ヨーロッパ、アメリカ、その他全世界に積極的にマネジメント契約を広げていく予定だ」とローレス氏は言う。

一方、英国では消費意欲が記録的に落ち込んでおり、GfK・NOPの消費指標は、６月の-34からさらに下落し、７月には-39を記録した。この数値は、1974年に調査が始まって以来の最低値であった。

「-39という数字は、英国が最も最近の不景気に突入した際の、1990年３月のものよりも低い数値だ」と、GfK・NOPのアナリスト、ドナ・カルヴァーウェル氏は言う。

「多分、私は楽観的過ぎると思う」とローレス氏は言う。「しかし、高級旅行市場の顧客の収入は不景気の影響を受けにくいため、我々のビジネスも影響は少ないと信じている。」

ジュメイラ・グループは、このままグローバル展開プランを推し進め、2012年までに６０の新規ホテルを展開していく予定であるとつい最近発表をした。現在、１１のホテル及びリゾート施設を運営する一方、過去２週間で５つのマネジメント契約を結び、現在開発中のホテルは１９である。

一方、ドバイ・インターナショナル・キャピタル(Dubai International Capital)が所有する英国資本のホテルマネジメント会社であるトラベロッジホテル(Travelodge Hotels)は、ドイツ小売業のアルディグループ(Aldi Group)と共に、英国での合資のスーパーマーケットとホテルの開発を始めている。

トラベルロッジは、ニューキー(Newquay)のアルディの店舗の上に、来年オープン予定の７４部屋のホテルを建設する予定であると、発表した。これは、来月末に、ミドルズブラ(Middlesbrough)のアルディ店舗の地殻に、５５部屋をもつ他社のホテルが新たに建設されることに対抗してのことだ。トラベルロッジは、２００万ポンド(1,270万ディラハム)をミドルズブラプロジェクトに、２９０万ポンドをニューキープロジェクトに投資する予定だ。それぞれの場所に対して、２０名ずつを新たに雇用する予定である。

「アルディとともに新たな店舗を開発することで、英国において、この不景気の中に存在するチャンスを最大限に利用したいとの意思を示している」とトラベルロッジのマネージング・ディレクターのポール・ハーヴェイ氏は言う。「信用危機のおかげで、今まで両社ともに開発のできなかった地域を開発することができる。」

「今や、米国市場は以前に比べると価格が下がり、参入には絶好の機会となっている」とUAE最大の旅行代理店の１つである、アルファ・ツアーズ(Alpha Tours)のアドナン・アリディ氏は言う。「現在、弊社ビジネスの７％を米国が占めているが、広告とトラベルショーを活用して、今年末までには、この数字をさらに１０％(合計１７％に）引き上げたいと考えている。」

ドバイ：西を目指すホテルグループ

サイト内リンク

他サイトへのリンク