2009/01/22

中国：自動車メーカ期待の高級市場

世界金融危機の影響で成長は鈍化してはいるが、中国の高級自動車市場は、国際的な自動車メーカにとっては希望の光である。

メルセデスベンツ（Mercedes-Benz）、レクサス（Lexus）、BMWなどの高級自動車メーカーは、今年始め、そろってニューモデルを市場に投入し、中国での拡大を続けている。

世界的な金融危機にもかかわらず、「中国は依然、最も成長の可能性のある国の１つであると思う」と、Shoju Nozaki氏（トヨタ中国、エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント）は述べた。

かつては年間３０％成長を見せていた中国の高級自動車市場は、世界金融危機のために、富裕層が消費の引き締めを始めたことで大きな影響を受けた。また、需要の減退は、大型エンジン車への増税により、輸入高級車の価格が値上がりしたことにも起因している。

コンサルティング会社、Automotive Resources Asiaの数字によれば、市場成長は、昨年１１ヶ月間で、１５％に鈍化したとのことだ。

アナリストの大半は、今年上半期は低迷が続くと予測している。

「今年の中国市場の成長はまだ期待できる。政府の緊急経済対策が第２四半期に良い影響を与えるだろう。」と、メルセデスベンツ中国の社長兼ＣＥＯのKlaus Maier氏は言う。「乗用車市場全体が６～１０％の成長見込みである一方、高級車セグメントは、２桁成長を遂げるだろう。」

昨年、メルセデスベンツの中国本土での売上は、現地生産及び輸入の両方において、１年前に１２のニューモデルが投入されて以来、４４％に跳ね上がり、38,700台となった。

トヨタ中国のヴァイスプレジデントでレクサスを担当するGodfrey Tsang氏は、中国市場は長期的に成長するだろうと確信している。

昨年、レクサスの全世界での売上は435,000台であり、１年前からは急激な落ち込みであった。しかし、そのトレンドに反して、中国での売上は３０％増加し、初めて日本を抜いて、米国に次ぐ２番目の市場となったと、Tsang氏は言う。彼は、中国全体の高級車市場は、今年、３～５％伸びると予測している。

高級車メーカー各社は、中国市場の伸びを期待して、ニューモデルを投入し、国内の販売店を拡大している。

レクサスでは、燃費効率と環境対応モデルの流行にあわせ、Lexus GS450hセダンを中国ポートフォリオに追加した。これは、RX400hとLS600hLに続き中国で販売される、３番目のハイブリッドセダンである。メルセデスベンツは、Ｂクラスコンパクト・マルチパーパスビークルを発売し、準高級車セグメントの拡大を狙っている。

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