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2009/06/07


定量データで見る高級ブランド

一般的に、高級ブランドに関する定量データは、他の消費材などに比べ数少ない。 高級ブランドは、もともと、限られた消費者、いわゆる富裕層をターゲットとしており、一般消費者に比べデータが集めにくく、また、定量調査が一般消費材ほど重要ではないというのがその理由だろう。 高級ブランドの市場調査においては、しばしば、特定の潜在顧客を対象に、フォーカスグループインタビューや、デプスインタビューといった、定性調査手法が用いられる。

しかし、一方で、定量データは、市場の全体感や、各要素の位置づけを把握するのに、非常に有用である。 これは、高級ブランド市場においても同様である。 たとえば、今月、矢野経済研究所が、昨年の輸入高級製品の市場は、10%縮小し、1兆640億円となったと報告している。 化粧品の市場規模が約2兆円なので、その半分であると考えると、何となく直感で把握できる。

下の図は、日本市場でポピュラーな高級ブランドの利用者の属性を、定量データをもとに、チャート化したものである。 データソースは、ブランドデータバンクが日本全国3万人を対象に行ったアンケートによる(※)。 アンケート対象者は、単なるそのブランドの利用者ではなく、ブランドの主力製品(たとえば、ルイヴィトンであればバッグ)を利用している人々である。 横軸は、利用者の男女割合を表しており、縦軸は、利用者の平均年齢をあらわしている(軸の中心は41歳)。 また、各ブランドをあらわす円の大きさは、利用者の平均世帯年収をあらわしている。 

このデータは、各ブランドの日本市場での位置づけをよくあらわしている。 たとえば、年齢層も世帯年収も低めのティファニーは、まさに若者向けのエントリーブランドである。 ティファニーは実際、手ごろな価格のシルバーアクセサリーを取り揃えており、カルティエや、ブルガリに比べると、手の届きやすいブランド製品である。 また、全体的な傾向として、年齢と、世帯年収は比例の関係を見せているが、ルイヴィトンは、平均年収が低い割には、年齢層が高めである。 ルイヴィトンのバッグが、世帯年収の低い若者だけではなく、比較的高齢の主婦の間にも広まっていることがわかる。

靴においては、フェラガモ利用者の年齢、平均世帯年収ともに高い。 靴のブランドに投資をするのは、比較的金銭的に余裕のある人であることが推測できる。 また、ロレックスとジョルジオアルマーニも、年齢、世帯年収ともに高い。 両者ともに男性にはポピュラーなブランドであるが、基本的には、稼ぐ大人のブランドのようである。

※データはセオリー 2008vol.3 「有名ブランドの秘密」より抜粋。 更なる詳細は書籍を参考のこと。





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