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2009/07/03
金融危機により、2008年、150万人がミリオネアの座から退くことになった。 米国は、いまだ、世界のミリオネアの28.7%を占めている。
世界的な金融危機が、世界の富裕層に大きな打撃を与え、その数は記録的に減少したとのレポートが、先月発表された。
世界中で資産100万ドル(約1億円)以上を持つ富裕層、すなわちミリオネア(億万長者)の数は、2008年、19.5%の記録的な減少となり、860万人に達したと、メリルリンチとキャップジェミニが実施した調査が明らかにした。 2007年時点では、世界のミリオネアの数は1,010万人であった。
世界中の株式市場や資産価値が落ち込んだことで、ミリオネア全体の総資産額は、2007年の40兆7,000億ドル(約4,070兆円)から19.5%落ち込み、32兆8,000億ドル(約3,280兆円)となった。 調査によれば、昨年の資産額の減少は、その前2年の増加を消し去ってしまう規模であった。
「2008年は、かつてない世界的な不景気を招きいれた」と、同レポートは述べている。 「金融危機として始まり、すぐに市場全体の影響を与え、さらに、成長市場や新興市場にも、その影響は及んだ。」
米国のミリオネアの数は、昨年18.5%減少し、250万人となった。 しかし、依然、世界のミリオネアの28.7%を占めており、数多くのミリオネアを抱える屈指の国家であると、レポートは述べている。
キャップジェミニ資産マネジメント部門代表のIleana van der Linde氏によれば、金融サービス業界や、特に原油などの生活物資に関わるミリオネアは、昨年、大損失を被ったという。
しかし、「2008年には、全く安全な資産区分というものは存在しなかった」と、同氏は言う。
世界のミリオネアの人口は、まだ、米国や日本、ドイツに集中しているが、徐々に、他の地域にもシフトし始めていると、同レポートは報告している。
例えば、中国のミリオネアの数は、今やイギリスよりも多いという。 キャップジェミニ及び、メリルリンチは、アジア・パシフィック地域のミリオネアの数は、2013年までに、北米を上回ると予想している。 その理由の一つとして、中国の目覚ましい経済成長があるという。
経済発展を遂げているもう1つの国家ブラジルでも、昨年の動乱にも関わらず、ミリオネアの数は、増加を見せている。 ブラジルは、オーストラリアやスペインを上回り、ミリオネア人口は、世界第10位に達した。
将来的には、ミリオネアの金融資産は、年率8.1%で成長し、2013年までに、48兆5,000億ドル(約4,850兆円)に達すると予測されている。 これは2005年から2007年までの、年換算で10.4%の成長に匹敵する。
「今後2年間は、よりゆったりとした成長になりますが、その後再び、一定の成長に戻るのではないでしょうか」van der Linde氏は続ける。 「今後は、中国や米国が、成長の原動力になるでしょう。」
世界中のミリオネアは、まだ、投資に関しては守りの姿勢のままである。 同レポートによれば、ミリオネアは、投資ポートフォリオのうち、半分を現金で持ち、半分を固定収入のある金融商品として保持しているという。
「投資家は昨年、数多くの手法のうち、安全を求めてきました」van der Lindeは言う。 「多くの信頼と自信を、揺るがされたのです。」
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