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2010/09/13
どのくらいのお金があれば人は幸せだと感じるのだろう?年収がもう100万円あればいいのか、それとも年収1,000万円なければ十分であると感じないのか。
プリンストン大学の経済学者Angus Deaton氏と心理学者のDaniel Kahneman氏が行った調査によれば、幸福をどう定義するかによってその答えは変わってくるようである。彼らは、感情面の幸せ、つまり『喜び、魅惑、心配、悲しみ、怒り、好意など個人が日常的に経験するさまざま感情』と、『個人の人生に対する評価』の2つを区別した。
米世論調査企業ギャラップ(Gallup)が2008〜09年に実施した米国民の健康と福祉に関する調査「Gallup-Healthways Well-Being Index」のデータを分析した彼らの調査によれば、『人生に対する評価』は個人の収入とともに安定して増加する一方で、「感情面の幸せ」は75,000ドル(約630万円)付近で停滞することがわかった。
調査によれば、年収75,000ドル以上では、金銭は『人生に対する評価』には大きな影響を与えるが、『幸福や喜び、悲しみ、ストレス』といった感情には影響を与えないようだ。
つまり好きな人と時間を過ごし、痛みや病気なしに生活を送り、レジャーを楽しむなどで感情面の幸せを収入により増加させることができるのは、年収75,000ドルが限界であるとのことである。「これ以上の収入においては、『ポジティブな感情』は横ばいとなる」と両氏は述べている。最新の心理学の研究によれば、高収入の人々は「小さい喜びを楽しむ力が弱まっている」と言われてもいる。
しかし、「感情面の幸せは年収75,000ドルで横ばいとなった...一定の収入レベル以上では感情面の幸福は、その人の性格や生活環境などに収入以外の要素に影響を受ける」とまとめる一方で、収入75,000ドル未満では「幸福の度合いは減少し、悲しみやストレスが増える」と調査は言及している。つまり、貧困である場合は、病気、離婚、孤独などの人生における不運は、感情面でもより悪い影響を与えるようである。
世間から羨望のまなざしで見られる富裕層は必ずしも幸福であるとは限らないが、少なくともお金のない人よりは不幸を感じてはいないようである。
最新の統計データによれば、米国世帯年収の平均値は2008年で52,000ドル(約440万円)であり、3分の1の世帯が年収75,000ドル以上である。
Daniel Kahneman and Angus Deaton
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