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2010/09/22
FIFAワールドカップのオフィシャル・ウォッチメーカーでもあったウブロ(Hublot)がアジアに今の2倍の店舗を出すことを計画している。同社CEOのJean-Claude Biver氏は、中国市場は今後30年以上成長を続けることに自信を見せている。
ウブロは来年までに中国を中心としてアジアの店舗数を15までに増やす計画である。中国には2009年初め、上海に最初の店舗をオープンしている。LVMH モエヘネシー・ルイヴィトンS.A.(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton SA)の傘下であるウブロは、これまではヨーロッパ、米国、日本で主に展開をしてきたが、今後は中国に力を入れていくようである。
中国・香港は今では世界最大のウォッチ市場となり、メリルリンチとキャップジェミニによればアジアの富豪の富の合計額は2018年までの間に年間8.8%ずつ増加するとも言われている。またHurun Wealth Reportによれば中国の富裕層は平均で4.4個の高級時計を保有しているという。
ウブロは、ゴールドの文字盤に天然ゴムのストラップをあわせるなど従来にない素材を初めて使ったビッグバン・ウォッチで知られているが、アジアからは約8%の売上額をそして中国からはわずか1%に満たない売上しか上げていない。現在のアジアの店舗は6店舗であるとのことだ。
一方でウブロの競合企業は、中国市場の起こりうる減速に備えている。スイスの時計メーカーであるドゥ・ヴィット(DeWitt)のCEOは中国経済はバブルの可能性があると述べている。
成長の減速
何名かの経済専門家は、中国経済の成長率は今年の10%から来年は8.9%に減速すると予測している。しかしウブロCEOのBiver氏によれば、中国に新たな店舗を出すことは、パリやニューヨークのような一等地に出店するよりもずっと安く上がるのだという。中国で年間約10万ドルの賃料は、パリのヴァンドーム広場に100万ドルの物件を借りるのに匹敵するという。中国の新店舗のいくつかはフランチャイズ形式にするようだ。
同氏によれば、アジアで腕時計は所有者の社会的地位を示すコミュニケーションツールであるという。中国人やアジア人はお金を稼ぐたびに、自身の社会的地位を周りに見せたがる。しかし一方で、アメリカ人やヨーロッパ人の方がお金持ちは多いが、必ずしも高額な時計を買うとは限らない。アメリカ人やヨーロッパ人はそんなことには関心がないのだという。
売上記録
ウブロは今年8月までの11ヶ月間は記録的な売上であり、2008年に比べずっと良い年になる見通しであるようだ。
ユーロやドルに対するスイスフラン高が進む中、同社は価格を上げて利益の調整を行っている。フランスではユーロ安を理由に多くの旅行者が訪れ、時計の価格が他の国に比べ10%も安かったせいもあり売上が伸びたのだという。
世界最大の高級品メーカーであるLVMHは、傘下にタグホイヤー(Tag Heuer)とゼニス(Zenith)などのウォッチブランドを保有しているが、2008年にウブロを買収した。同社は昨年、腕時計とジュエリーから7億6400万ユーロの売上を計上した。
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