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2010/10/23
今月報告された調査によれば今年の高級品市場は予想以上に回復しているという。その原動力は中国人ニューリッチが世界中で買い物にふけっていることと、アメリカ人富裕層が倹約から購買に転じていることにあるようだ。
ベインアンドカンパニーの調査によれば、デザイナー医療や革製品、ジュエリー、時計などを含む世界の高級品市場は2010年、10%増加の1,680億ユーロ(2367億ドル)になる見込みである。市場規模が8%減少し1,530億ユーロであった2009年から大きく回復する見通しである。
地域別では、米国市場は12%の増加、ヨーロッパでは6%増加、アジアでは22%増加が見込まれている。
革製品は、市場の落ち込みにあって最も安定を保ったカテゴリーであったが、16%増加し430億ユーロの市場規模になるようだ。また最大のカテゴリーであるアパレルは、8%増加の450億ユーロの見込みである。
これから年末にかけて売上はより安定する見込みであり、最終的な成長は控えめに見ても9%、より消費者が強気な場合には11%にもなるようだ。今年の売上が好調であったとこと、対ドルユーロ安が継続的に進みという見込みから、2011年の成長は3%から5%程度と見られている。
アジアにおける高級品市場は30%もの急激な成長を見せた中国に後押しをされており、中国は5年のうちに3番目の規模の高級品市場になる勢いである。一方日本市場は1%の縮小であった。
しかし、特筆すべきは中国人旅行者であり、彼らのショッピング熱を帯びた旅行は今やアジアから世界へと向かっている。実際、同社は空港や機内における高級品販売を160億ユーロと見込んでおり、これは上流層の旅行が増加傾向であることを示す数字である。いまや中国人はヨーロッパやアメリカでも頻繁に見かける存在である。
業界の動向としては、大型ブランドは小規模ブランドよりも好調であり、スケールを武器に危機を凌ぎつつ顧客を引き戻すための新製品への投資を進めているのだという。そして大型ブランドは小規模ブランドを買占め新たなグループを組織し、業界はより安定的な方向に進んでいくと見込まれている。
新興市場では男性の購買が女性よりも回復しており、また成熟市場では男女間の購買習慣に差がなくなってきているのだという。つまり、男性は時計や礼服など保守的な製品だけでなく、より積極的にインターネットを駆使して好きなブランド製品を探しているようである。
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