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2012/03/20
景気低迷にも関わらずラグジュアリーブランドグループの日本市場での売上高が増加している。しかしこれは必ずしも日本のラグジュアリー品市場が回復していることを意味している訳ではないようだ。The wall street journalが伝えている。
パリに本拠緒を置く、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンSAは、昨年の日本での売上が1年前の19.7億ユーロ(25.9億ドル)から10%増加したことを発表した。しかし、為替の影響をのぞいてみれば状況は少し異なる。固定為替レートで、事業の買収・売却の影響を無視した場合、日本の売上は1%の減少であるという。ちなみに、昨年ユーロは108.57円で始まり、12月末には100.24円にまで下落した。
売上高の増加を助けた要素は為替レートだけではない。同社は昨年、ローマに拠点を置くジュエリーブランドのブルガリを買収した。ブルガリは、日本市場で確固たる地位を築いており、買収される前の日本市場での年間売上高は2億ユーロにも上るという。
このような状況は、YSLやボッテガ・ヴェネタ、グッチなどを所有しているPPR SAでも同様であるようだ。同社の昨年の日本市場における売上高は12%増加の9億8350万であったが、為替や事業の売買の影響を除けばわずか5.6%の増加であるという。さらに、この増加も主には同社の保有するプーマブランドによるものであったのだという。また、同社もLVMHと同様に、新たなブランドの買収を行っており、イタリアのブランドであるブリオーニなどを買収している。
両者ともに売上増には、円ユーロの為替の影響と、事業の買収が大きく影響しているようである。
ラグジュアリーブランドグループの日本市場での売上は増加しているが、やはり日本市場自体の重要性は各社ともに低まっているというのが現状だ。
5年前にLVMHの売上の13%を担っていた日本市場は、昨年8%の売上を占めるにとどまった。一方で、日本を除くアジアの売上割合は5年前の17%から、昨年27%まで伸びたのだと言う。グッチブランドでもどうようの傾向がみられ、2006年に同ブランドの19%を占めていた日本市場の割合は、昨年には12%まで落ちたのだと言う。日本以外のアジア地域は、同期間で22%から37%にまで数値が伸びた。
ラグジュアリーブランド各社は、新興市場を含むその他アジア地域に、今後より一層力を入れていくようである。
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