2013/01/24

海外でラグジュアリー製品を購入する中国人が増加

世界的な会計事務所KPMGが中国に対して行った調査"The Global Reach of China Luxury"によれば、海外旅行をする本土の中国人の数は増えており、中国で人気の海外のラグジュアリーブランドはその恩恵を受けているという。調査は、24都市に渡る20歳から44歳の中流層の中国人1200人を対象に行われた。

調査によれば、2012年に海外旅行をした中国本土の消費者の数は71%にも上り、2008年の53%から大きく飛躍したという。この旅行者のうちの72%がハンドバッグ、化粧品、腕時計などの高級製品を購入していた。旅行(レジャー旅行)の行き先としては、香港(53%)、ヨーロッパ(32%)に続き、日本(30%)は3番目に多い行き先であった。

最近1年以内の化粧品の購入に関しては、香港・台湾・マカオで購入した消費者は60%にのぼり、中国本土での購入の51%の凌いだ。また、日本での購入はヨーロッパ(20%)に続く19%であった。中国人が海外でラグジュアリー製品を購入する理由としては、国内市場における30%にも及ぶ高級品に対する税金や、国内で偽造品を買わされてしまうリスクを回避するためだとも言われている。

調査レポートは、今まで中国国内市場だけを見てきたラグジュアリーブランドは、この海外旅行者の増加を考慮に入れ、中国旅行者に対してもブランディング戦略、マーケティング戦略を調整する必要性を述べている。

中国人の収入は年々増加をしており、それが国内、海外市場におけるラグジュアリー製品の需要を後押ししている。昨年9月のHSBCのレポートによれば、世界のラグジュアリー製品の購入の25%を中国人が占めており、これは2007年の5%から大きな飛躍であった。また、マッキンゼーの報告によれば、中国市場は日本にとって代わって

、ラグジュアリー市場の大きな原動力になっており、2015年までに270億ドルを売上げ世界のラグジュアリー市場の1/5を占めると予測している。

さらに調査によれば中国人消費者のブランドに対する認知度は高まっており、またどの国のラグジュアリー製品であるかによって特定のイメージを持っていることを明らかにした。例えば香港であればファッション、ロマンティックであればフランス、工業デザインであれば精密であった。日本は、精密(54%)、工業デザイン(40%)の点が支持を得たが、両者ともにドイツ(各72%、68%)に次ぐものであった。

海外でラグジュアリー製品を購入する中国人が増加

サイト内リンク

他サイトへのリンク