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2010/07/30


エルメスが中国向けのブランドを設立

FT.com

エルメスが今年9月中国に新たなブランド立上げの準備をしている。同社は世界第2の高級品市場である中国で、さらに多くの顧客を取り込むことをもくろんでいる。

エルメスによれば、新たなブランドShang Xia(シャン・シャ)は、顧客の混乱を避けるためHermesブランドとは全く別ものとするようである。Shang Xiaは、中国語で「上下」を意味する。

上海にオープンが予定されているShang Xiaでは、Hermesブランドとは異なり、食器や家具が扱われるのではないかと見込まれている。

Shang Xiaは、中国チームにより中国で開発される中国のブランドであり、中国の技能をもとにして、そのほとんどは中国で製造されるようである。

これまでもアジア市場向けに特別なラインを用意するヨーロッパの高級ブランドはあった。日本と香港向けのラインである、バーバリー・ブラックレーベル、ブルーレーベルがその例である。

また、ジーンズブランドのLevi'sは今年、中国向けブランドを立ち上げると報告されている。

今回のエルメスの中国市場向けブランド立上げは、高級ブランド企業が中国本土で直面している難しい問題を反映している。

欧米企業各社は、既存のブランド価値を損なうことなく、中国消費者向けの現地化製品をアピールする方法を見つけ出す必要があるのである。

例えば、ヘアケア・スキンケアブランドは、生物学的にヨーロッパ人とは異なるアジア人の髪や肌向けに製品を作り変えなければいけない。また、化粧品ブランドも中国本土の薄いメークやほとんどメークをしない習慣に対応していかなければいけないのである。

しかし、高級衣料・シューズメブランドは、ほとんど製品の現地化を行っていない。

中国の専門家によれば、中国人消費者は中国市場向けに作られた製品を欲しがらないからだという。実際、外国市場向けにデザインされたハンドバッグや宝飾品は、中国市場向けに作られた製品よりもよく売れているようである。

シャネルやプラダが最近、上海万博向けの特別製品を出したが、これは中国市場への売り込みというよりも上海市政府へのご機嫌取りのようである。

Shang Xiaブランドに関してエルメスはこれまでほとんど内容を明らかにしておらず、ブランドの広告も何ら出していない。

高級市場専門家によれば、今回のエルメスの動きは、「同社の高価格帯に注力した戦略が、ルイヴィトンやグッチなどのメガブランドの戦略に比べて、上手く顧客の需要をとらえきれていないことを証明している」という。

「ただでさえ、エルメスは中国市場では出遅れており、ブランド認知度でもルイヴィトンやグッチだけでなく、バーバリーやプラダにさえ負けている。」

Shang Xiaは始めは、食器や家具などのホームプロダクツを扱い、価格帯やターゲット層に関してはそれほど高くには設けないようである。また、今後取り扱う製品分野も広げていく可能性はあるようだ。上海の次には北京への進出も考えているという。

エルメスは中国で新たなブランドを築く一方で、メインのHermesブランドは既に中国18店舗を構えている。Hermesブランドでは中国向けの特別製品を出す予定はないという。





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