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2010/08/28
中国には公式数値では報告されていない9.3兆人民元もの世帯所得があり、その80%が富裕層世帯によるものであることをある調査が公表した。
ほとんどが「違法、準違法」に得られた1.4兆ドルに相当するその金額は、中国GDPの30%にも匹敵すると調査は報告している。この調査はクレディ・スイスにより実施され、中国経済改革研究基金会(China Reform Foundation)により出版された。報告では、中国都市部の平均可処分所得は年間で32,154元であり、公式数値よりも90%も大きい。
その現金のほとんどは富裕層世帯に流れている。クレディ・スイスレポートによれば、中国の上位10%の世帯年収は139,000元であり、公式数値の3倍にも達する。反対に下位10%の世帯年収は5,350元であり、これも公式数値よりも13%多い額である。上位20%の世帯が総隠し所得の81.3%を占めている。
中国は富裕層と貧困層の富の格差が世界でも最も大きい国の1つであるが、今回の調査により公式の発表よりもさらにその格差が大きいことが分かった。60年にも渡る中国共産党による統治を脅かしかねない社会不安を避けたい胡錦濤国家主席と温家宝首相にとって、社会格差を無くすことは最大の目標である。
この『闇所得』には、結婚式での公的な贈与や、土地転売利益、建設事業のリベート、タバコ業界のような専売に対する見返りなどを含む様々な資金源があると調査は報告している。
かつて政府の力は資本と一体であり、市場経済での自由競争はクローニー・キャピタリズム(仲間うちでの排他的な資本流通)に置き換えられて行き、所得や資産分配の開きや、低経済効率性、急激な社会摩擦を招いたとこの報告は結論付けている。
2009年に編集されたこの調査は、19省64都市の都市部の4,000世帯に対するインタビューをもとに2008年のデータを用いている。
実際の世帯所得がGDPに占める割合は公式数値よりも大きく、高級品消費の急増の説明が付くと報告はまとめている。
パリのPPR傘下であるグッチは昨年、河北省の首都である石家庄に新たな店舗をオープンし、そこでスネークスキンの財布を4,000ドル以上で販売しているが、これは公式の1人当たり年収の約2倍の額である。一方、BMWは中国の先月の販売台数が1年前から82%増加し、13,852台となったと発表した。
今回の調査で明らかになった数字は、しばしば汚職裁判などで地方政府により明らかにされる数値と一致するものである。例えば、4月に懲役20年が言い渡された山西省の国家鉱山の役人は3億500万元を違法に受け取っていたと人民日報が伝えた。役には北京に35の土地資産を所有していたという。
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