2008/04/07

イタリア：　景気停滞とドル安の打撃を受ける高級商品

イタリア高級品市場は、消費の減退とドル安の打撃を受けている。

また、米国ドルが国内市場停滞の見通しから依然ドル安が進むと推測される中、更なる市場の落ち込みが見込まれ、多くの企業が世界的な景気後退に備えている。

イタリアの新聞報道によれば、アーエッフェ(Aeffe)、アイティーホールディング(IT Holding)、サフィーロ(Safilo)、ポルトローナ・フラウ(Poltrona Frau)などのイタリアファッション企業は、これまで、企業価値が半減するに至った。

アイティー・ホールディングがジャンフランコフェレ(Gianfranco Ferre)、ヴェルサーチ・ジーンズクチュール(Versace Jeans Couture)など、世界的に有名なデザイナーを参加に抱える一方、アーエッフェ・ファッション・グループは、アルベルタ・フェレッティ(Alberto Ferretti)、モスキーニ(Moschini)、ナルシソロドリゲス(Narciso Rodriguez)などの有名なデザイナーレーベルを持っている。

新聞報道によれば、ITの株価が５１％落ち込む一方、アーエッフェの株価はこれまで５４％落ち込んでいる。

ジョルジオアルマーニ(Giorgio Armani)やイヴサンローラン(Yves Saint Laurent)向けの眼鏡を製造するサフィーロが５３％の株価下落を記録する一方、家具設計企業であるポルトローナ・フラウは５７％落ち込んだ。

高級品メーカーであるブルガリ(Bulgari)は、世界に２３６店舗を保有し、近年、ホテルリゾートに活動分野を伸ばしているが、昨年の株価は、2008年始めの２２．７％を含む、３２％の下落を記録した。

ブルガリ・グループのCEO、フランチェスコ・トラッパーニ(Francesco Trapani)氏は、自社は今年３月下旬に売上の落ち込みを発表したが、それでもアジア市場、特に日本に明るい見通しがあると、イタリア新聞社、ラ・レプッブリカ(La Repubblica)に伝えた。

彼は、2007年後半に発表した自社の成長予測を、再確認した。

「不安定で不明瞭なマクロ経済環境の中で、2008年、ブルガリ・グループは、売上、営業利益、最終利益それぞれにおいて８％～１２％の増加が見込まれる」と彼は声明の中で発表した。

売上に影響を与えているのはドル安だけではない。スペインやドイツでは、経済成長は低調にとどまり、高級品市場は消費低迷の影響を受けている。

ラ・レプッブリカによれば、ロシア、中国、その他アジアの新興市場が2007年の高級品市場の１０％の売上シェアを占める一方、米国は３０％を占めている。

「もし、米国消費者の売上がもう１０％落ち込んだ場合、新興市場の３０％の伸びで埋め合わせをすることになる」と、Altagamba社長、アルマンド・ブランチーニ(Armando Branchini)氏は言う。

この傾向は、2008年、４度目の株式情報を試みる高級ファッションデザイナーブランド、プラダ(Prada)にとっては悪いニュースだ。

最近、フランス大統領ニコラス・サルコジ氏の英国女王エリザベス２世との会食の際にもそのスーツが着用された、ミラノに本拠地を置くこの企業は、皮革製品やアクセサリーの売上に後押しされ、2007年、６６％の利益増加を発表した。

「今年の株式上場は、グループの成長計画を後押しするだろう」と、３月下旬に発表された声明において、CFO、パトリッツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)氏はそう述べた。

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