2008/04/26

インド商工会議所連合調査：　航空機利用が浸透しないインド

インドの航空旅客交通の４０％がデリー(Delhi)とムンバイ(Mumbai)の主要２空港に集中していることが調査の結果分かった。また、上位５空港が７０％以上の交通量を占めており、上位２５空港が９５％を占めていることがわかった。

インド商工会議所連合(ASSOCHAM)によれば、インド人約１０００人の年間航空機の利用は約３０回である一方、中国、米国はそれぞれ、６５回、２３００回であり、インドの航空機利用がまだ十分に浸透していないことが分かった。

ASSOCHAMは、調査レポート、インドと世界の飛行機旅行の中で、インドは飛行機旅行が非常に高価で、最も浸透していない市場のひとつであり、隣国のスリランカやパキスタン、GDPの低いエチオピア、ナイジェリアと比べてさえ浸透が遅れている、と付け加えた。

ASSOCHAMのプレジデント、Venugopal N. Dhoot氏によれば、人口がインドの１/５０であるマレーシアのような小国でも、年間の航空機利用は平均３０－３５回であり、インド（３０回）だけでなくスリランカ、パキスタンよりも多いとのことだ。

インド航空業界がこれほど進歩しない主要な、根本的な原因は、国際・国内空港や、十分な航空管制・ナビゲーション施設などのインフラが欠如していることである、とDhoot氏は付け加えた。

この調査では、インドの４０％の航空旅客交通が、デリーとムンバイの主要２空港に集中していることが強調された。また、上位５空港が７０％以上の旅客交通を占めており、上位２５空港では９５％を占めている。さらに、これらの空港には、十分なトンネル施設やインフラ、グランドハンドリングシステムが備わっておらず、陳腐な搭乗設備が空港の混雑を招いていることがわかった。

さらに調査では、豪華旅行・超豪華旅行のセグメントが、航空旅行セグメントの７０倍近くであるということが分かった。近年の高級列車（空調付き・ファーストクラス）利用者数は、5200万人であり、航空機利用者（1530万人）の３倍であった。他の多くの国では、航空機利用者数は、高級列車利用者数の何倍にもなっている。

この歪んだ旅行手段の利用状況は、低コスト交通機関が利益を得るには好ましい環境だ。よく引き合いに出される中国では、国民一人当たりのGDPが転換期を迎えた1980年～2000年、旅行者数は年間成長１７％を記録した。

さらに、タイや、インドネシアのような観光産業主導の経済では、旅客量はそれぞれ年間、2120万人、940万人、増加したとのことだ。インドの観光産業は、GDPの２．５％を担う重要な産業であり、３番目に外貨を稼ぐ産業でもある。

調査ではまた、インドには４００の空港があるが、新規航空会社の参入があるにも関わらず、現在はそのうち100以下の空港しか稼動していないことに言及ている。航空機を運営する側は、いまだ十分なサービスを受けることができていないが、大手の航空会社は、交通量が増加し続ける基幹空路を中心に事業を行ってきた。しかし、現在、インドの国内移動手段の約２５％は、上位６社のメトロが担っている。

これまで、地域路線は基幹路線の二の次として扱われており、多くの都市で便利な空路が利用できず、準大都市に航空市場拡大の大きな可能性を残している。現在、インドの航空会社の以外には、デカン(Deccan)、ゴー・エアGoAirのような低コスト航空会社(LCC)のみが、準大都市を各メトロにつなげている。

連合は、インドに航空産業を浸透させるためには、国際・国内旅行者用に適切なインフラを用意し、航空機の数を今後数十年で250機から1000機に増やさなければならないと提言している。インドの航空産業が、高まるりつつあるニーズを満たすためには、今後５、６年で許容量を１５－２０％増やさなければならないだろう。

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