2008/09/26

ロンドンが最高額の高級住宅市場の座を失う

ロンドンが世界最高額の住宅市場の座をモナコに奪われた。銀行による人員削減や、ボーナス減額がその原因であると見られる。

不動産仲介会社ナイト・フランク社(Knight Frank LLP)の9/23の報告によれば、第2四半期において、モナコの高級邸宅・マンションの平均価格は30%上昇し、１平方フィート当たり3,762ポンド (6,094ドル)となった。一方、ロンドンの平均価格は1.8%の増加に留まり、3,762ポンドであった。

同社の住宅リサーチ部門代表のリアム・ベイリー氏(Liam Bailey)によれば、「欧米市場の信用危機や経済の低迷が原因で、優良住宅市場は世界全体で減退傾向にある」とのことだ。

ロンドンの高級住宅市場を支えてきた金融サービス企業が、人員コストを大幅削減した結果、業界で働く300,000人からの住宅需要は大きく落ち込んだ。歴史上最大の倒産となったリーマン・ブラザース・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)は、4,500人の社員をロンドンに抱えていた。

ナイト・フランク社が先月、需要をもとにした今後の景気予測を発表したが、ロンドン近郊の最高級９地域での邸宅・マンションの平均価格は8月時点で、過去5年で初めての落ち込みを見せていた。

ロンドン金融地区の地方自治体であるシティ・オブ・ロンドン・コーポレーション(The City of London Corporation)は、42,000人が今後職を失うと見積もっている。

リヴィエラ, アルプス

ロンドン、ニューヨークの「超優良」物件の主な得意先である、ロシア富裕層のニーズを反映して、ロンドン、ニューヨークの金融地域に加え、フレンチリヴィエラ(French Riviera)やフレンチ・アルプス(French Alps)の物件に注目が集まっている。

購入者は匿名であるが、ヴィルフランシュ・シュル・メール(Villefranche-sur-Mer)にあるフレンチ・リヴィエラの歴史的建造物である、ヴィラ・レオポルダ(Villa Leopolda)の4億9,600万ユーロでの売買が成立した。フランスの新聞によれば、ロシアの大富豪、ミハイル・プロホロフ（Mikhail Prokhorov）氏が購入者であるとのことだが、彼の会社のスポークスマンは否定している。

ロンドン、モナコ、ニューヨークでは、１平方フィート7,000ポンドを超える新築・改装住宅とともに、1,000万ポンド以上の物件が更なる価格の高騰を見せている、とベイリー氏は言う。

「この需要はまだまだ続くだろう」と彼は言う。「新興経済の富の想像・蓄積やハイエンド・サービス・セクターの活動はまだまだ衰えないだろう」

以下は、トップ１０地域のデータ:

ランク	場所	国	Q2 2008価格(ポンド)	Q2 2008価格(ユーロ)	年間価格変動
1.	モナコ	モナコ	3,762	51,000	30.0
2.	ロンドン	イギリス	3,291	44,620	1.8
3.	キャップ・フェラ	フランス	3,121	42,320	2.0
4.	クールシュベル	フランス	2,530	34,300	-2.0
5.	ニューヨーク	米国	2,486	3,705	12.3
6.	モスクワ	ロシア	1,256	17,031	18.4
7.	東京	日本	1,214	16,455	-9.4
8.	香港	中国	1,185	16.065	27.2
9.	シドニー	オーストラリア	1,090	14,782	4.0
10.	パリ	フランス	1,026	13,910	0.0

出展: ナイト・フランク国際優良住宅インデックス

*単位平方フィート

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