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2009/01/03
ベイン&カンパニーの高級品調査第7版によれば、世界の高級品市場の成長は、年末に大きく減速し、2009年は過去6年ではじめての景気後退に向かうが、「ニューラグジュアリー」として今後上向く傾向にあるだろうと長期的には楽観的な予測がなされている。
ニューヨーク(2008/10/29) ― 高級品市場は、これまで景気変動の影響を受けることは無いと見られていたが、今回の世界的景気減速の影響を受け始めており、2009年には、不景気に突入する。これは、ベイン&カンパニーの高級品世界市場研究(Bain & Company's Luxury Goods Worldwide Market Study)第7版の調査結果によるものである。しかし、一方、今後5年の富裕層による高級品消費は上昇傾向にあり、ブラジル、ロシア、中国、インドなどの新興市場での+20%〜+35%程度の上昇に加え、全市場での個人資産の増加や、世界GDP成長、世界的な旅行者の増加などが予測されている。これらの傾向により、世界高級市場長期予測調査では、楽観的な見通しがなされている。
調査によれば、世界高級品売上の成長は、急激に落ち込み、2008年には+3%、1,750億ユーロとなる見通しだ。この数値は、2006年の9%、2007年の6.5%と比べると対照的である。2009年には、為替レートの変動や、経済の混乱が成熟市場の高級顧客の消費に悪影響を与え、高級業界は過去6年で最初の景気停滞に直面する見通しである。調査では、2009年の世界高級売上は、変動為替レートで−2%の落ち込み、固定為替レートで−7%もの落ち込みを予測している。これは、皮肉にも、通貨変動が高級市場成長にポジティブに作用した歴史上初めてのケースだという。
「さまざまな業界が金融危機を発端に景気後退に追いやられたが、各ブランド企業がどの程度深刻な状態に陥るかは、一部、それら企業がどのように反応するかにかかるだろう」とベインのパートナーは語る。「もっとも回復しやすいのは、国際性と多様性に長けたブランド企業になるだろう。」
成熟市場の衰え
成熟市場は高級売上の約80%を占めているが、各成熟市場の消費は落ち込み、大きな打撃となっている:
不均一な減速
調査は、ブランドセグメントにより、減速の度合いが異なることも明らかにした:
製品カテゴリーでは、2008年、2009年でアップダウンが見られる:
高級市場は、2008年には減速し、2009年も縮小の見通しであるが、世界的により多くの顧客が高級市場での消費を伸ばすことで、成長傾向に回復すると見られている。ベインは、高級ブランド企業は、今後の更なる成長のために、次の3つの黄金律に従うべきであると提案している:
「ブランド企業は、販売手法の改善や創造分野のコストまでも削減してはいけない。今後10年を考えると、この不景気に、諸経費を削減しながら顧客や製品には投資を続ける企業は、経済が上向いたときに成長のできるポジションを確保することができる。」と提言されている。
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