2009/02/14

香港高級住宅の売上が６ヶ月ぶりの高値

中原地産代理有限公司（Centaline Property Agency）のデータによれば、今年１月、香港の高級住宅の売上は６ヶ月間で最高に達し、市場ではお買い得物件が求められ価格が安定してきている兆しが見えるとのことだ。

既存物件の完了済み取引数は１２月から３１％増加、取引価格では９％の２.７香港ドル（3億4,800万ドル）となり、７月以来の最高額に達したと、中原地産代理有限公司は伝えた。ここで、高級住宅とは、1,000万香港ドルを超える物件を指す。

不景気のために消費行動が悪化し、香港不動産市場の不透明感は強まりつつあるが、価格がの低下と供給数不足が、既存高級住宅の売上を支えたかたちだ。高級住宅の価格は、第４四半期で、前３ヶ月と比べ１９％落ち込んだと、ジョーンズラングラサール（Jones Lang Lasalle）のアナリストであるMarcos Chan氏は述べた。

「第４四半期に金融市場が暴落により（価格が）急激な落ち込みを見せた後、リバウンドが起こることはそれほど驚くべきことではない」と、ジョーンズラングラサールのヘッドリサーチャーであるChan氏は述べた。

香港の住宅開発企業Chinese Estates Holdingsのチェアマンであるとともに、香港で５番目の資産家であるJoseph Lau氏は、5,657平方フィートの住宅を1,700万香港ドルで購入したと、地元新聞の明報（Ming Pao）は匿名で報道した。購入額は、売り手の仕入れ価格よりも１６％安かったが、Chinese Estatesの広報担当Alison Yeung氏はこの報道へのコメントを避けた。

活気づく中古市場

中原の報告によれば、１月、合計１４４件の取引が成立したとのことだ。１月に公開された新たな物件はこのデータから除かれている。

今年１月までに、既存高級住宅の取引は２ヶ月連続で増え、累積８２％の増加を記録したと、中原の共同ディレクターであるWong Leung-sing氏は述べた。

「高級住宅が不足しており、買い手は、活気がよみがえりつつある中古市場に注意を向けている」と彼は言う。

香港最大の住宅開発企業である、Sun Hung Kai Propertiesは、新規物件である３階分の高級マンションユニットを、スクウェアフィート当たり50,000香港ドルで売ることを見込んでいると、香港エコノミックタイムズ（Hong Kong Economic Times）は経営陣のコメントとして報告している。

天璽（The Cullinan）

中国、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカからのバイヤーは、この高級マンションに興味を示していると、明報はSun Hung Kai Real Estate AgencyのエグゼクティブディレクターのVictor Lui氏を引き合いに出して報告した。

Lui氏のコメントによれば、天璽（The Cullinan）に興味のあるバイヤーの６０％が中国人バイヤーとのことだ。九龍（Kowloon）に位置する高さ２７０メートルの天璽は、香港最高層プロジェクトとなり８２５区画が用意される予定だ。

とりわけ、１月の香港の住宅販売は、１２月から３.６％増えたと、先週Land Registryは発表した。先月売られた住宅の総数は、4,875となり、１年前から６７％の落ち込みとなった。この数字は、新しく、中古の公共とプライベートの住宅を含む。

更なる苦戦

まだ、高級物件市場が安定してきたというには「早すぎる」と、Jones LangのChan氏は言う。

「経済の先行きは不透明であり、失業率は増えており、高級市場不動産であろうが大衆不動産であろうが、今年は苦戦が続くだろう」と彼は言う。

世界的な不景気による輸出及び、国内消費の悪化により、香港経済は今年、2003年以来初めての不景気に突入した。経済は、第２四半期に１.４％縮小し、第３四半期には０.５％さらに縮小した。第４種半期の数字は後日発表される予定である。

失業率は、１２月３１日までの３ヶ月で、４.１％上昇し、１５ヶ月間で最悪の水準であった。

高級住宅全体としてのの売上は、１月、主に新規物件の売れ行きが大きく落ち込んだことを理由に、２４９の取引に落ち込んだと、中原は報告した。昨年１２月には３１９の取引が記録されており、2008年１月では７２０の数字であった。

新規の高級住宅の１月の販売は、総額２４億香港ドルの１０５取引までに落ち込み、１２月に比べ、３９％少なかったとレポートは報告している。

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