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2009/03/05
ジュネーブ ― ポルシェ(Porsche)やランボルギーニ(Lamborghini)などの高級自動車メーカーは、自社ブランドの特別な位置付けをキープするためには、この不景気での売上の減少も覚悟している。
一般消費者向けの自動車業界と同様、各社ともに世界不景気の影響で売上は減少しているはずであるが、研究開発予算だけは削減することを考えていない。他の分野でのコスト削減により、帳尻を合わせることを考えている。
高級車業界は競争の激しい業界であり、このような時期にあっても、自社製品に最新のテクノロジーを取り入れることを考えている。今後景気が上向き、彼らのターゲットである富裕層顧客が、ショールームに足を運ぶ際の準備を整えておくことが狙いである。
「ポテトの種まで食べてしまいたくない」と、ダイムラー社会長のディーター・ツェッチェ氏は、今週開催されたジュネーブモーターショー述べた。「現況から抜け出す時には、より良い状態で抜け出したい。」
ダイムラーは、今後2年間の研究開発費に、怯むことなく100億ユーロ(125億ドル)を投資する予定だと彼は述べた。
フェラーリ(Ferrari)の599XXのように、ジュネーブモーターショーでは高級メーカー各社の新車が発表され、技術開発に力を入れる各社の傾向がはっきり見られた。
高級自動車メーカーが、予算削減を控える他の分野としては、10万ユーロを超える製品ラインの価格である。このラインの値下げは、短期的には売上の増加を生む可能性があるが、長期的にはそのブランドの排他性や特別感を壊してしまう。
「ターゲットの限定されていないような一般の企業とは競争することはできない」と、フィアットに属するマセラティ(Maserati)ブランドのトップであるHarald Wester氏は述べた。
しかし、これらの企業でもコスト削減は必須であり、実際、多くのメーカーが売れ残り処分のために生産中止に追いやられた。
この時期にあって、ランボルギーニの新車の待ち時間は、以前12ヶ月であったものが、6ヶ月までに縮まった。
腕時計、衣類、自動車などの高級メーカーの顧客は通常、不況の影響を受けることはない。
しかし、今回の全世界的な金融危機は、その厳しさに、富裕層顧客でさえ大きな影響を受けている。
「高級ブランドも不景気と無関係ではない」と、ランボルギーニのCEOであるステファン・ヴィンケルマン氏は述べた。
彼の見積もりによれば、高級自動車の世界売上は、今年最初の2ヶ月間で約40%で落ち込んだ。
フェラーリのCEOであるアメデオ・フェリーサ氏も、ヴィンケルマン氏同様、世界最大のスーパーカー市場である米国を始めとして、売上の減少を予測している。
職を失うようなことはないとしても、富裕層も多くの資産を失っており、大きな買い物はしていないとWester氏は言う。
経営者であれば、自分の従業員が職を失っている中で、高級な新車で会社に乗りつけるのは体が悪いと思うだろう、と彼は付け加えた。
しかし、ヴィンケルマン氏は、新車開発のために、毎年売上の10%近くを投資するという独自の戦略にこだわっている。
また、フェラーリのフェリーサ氏は、売上の18%を研究開発に当てるという立場を貫いている。
日産インターナショナルのヴァイスプレジデントであるPierre Loing氏は、高級ブランドであるインフィニティブランドの自動車を少ない台数であはあるが、いまだヨーロッパ市場で販売する予定であると語った。
「面白いのは、今年始めの成績が当初もくろんだ通りであったことだ」とヴィンケルマン氏は言う。「一般自動車業界を見れば、予算内で収まったところなどどこにもない。」
「我々がアプローチしている限定されたターゲット層は、経済危機の影響をそれほど大きくは受けていないだろう。」
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