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2009/04/18


中国の若手富裕層ブーム

Forbes.com

中国の新富裕層のほとんどは、きっと、あなたが考えているよりも、ずっと若い。 さらに彼らは、北京や上海に住んでいるわけではなく、親の世代とは違い貯金もしない。

今後の成長を見込んで、中国富裕層市場を開拓しようとしている企業は知らなければいけない ― 中国の将来の富裕層は、諸外国のそれよりもずっと若くなるだろう。これまでの世代の高い貯蓄率に反し、彼らはほとんど貯金をしようとしないだろう。 そして、中国と言えば、北京や上海が注目されているが、彼らはもう1、2レベル、もしくは、よりレベルの落ちる小規模な都市から現れるだろう。

「実際に市場を牽引しているのは32歳以下の消費者であるが、これを理解している企業が少ないことに驚いています」と、China Market Research GroupのトップのShaun Rein氏は言う。 今月リリースされた、マッキンゼーの報告書によれば、中国の富裕層は、米国や日本に比べ、ずっと若い。45歳以下の富裕層が、米国では30%、日本では19%であるのに対し、中国では80%にも達する。 ここでの『富裕層』の定義は、年間25万元(約370万円)を稼ぐ、都市世帯のことである。

このような状況のもと、中国最大の高級化粧品・スキンケアブランドであるランコム(Lancome)は、自社アンチエイジング製品の売り込みに、若者達に若いうちからのスキンケアの必要を信じ込ませ、購買を促進しなければならなかった。 グッチ(Gucci)やルイヴィトン(Louis Vuitton)などは、「自社のターゲットは22歳から32歳の範囲になるであろう」ことを理解し、500元(約7,300円)から1,000元(14,600円)のバッグを売り込んできたと、Rein氏は述べた。

現在の中国都市部の人口構成は、1960から1970年代の文化大革命の影響を受けており、これが原因で中間の年齢層に富裕層が存在していない。 中国の富裕層のほとんどは、35歳以下であるか、65歳以上である。 現在の45歳から60歳の年齢層は、田舎や工場に派遣労働されていた人々であり、毛沢東の大学制度の廃止の影響を受けたロストジェネレーションである。 60歳以上の世代は、貧困と、国家の貧弱なセーフティーネットの記憶を持ち、貯蓄を続けている。一方、35歳以下の若い世代は、親元で暮らすことで可処分所得を増やし、貯蓄率はほとんどゼロに近いと、Rein氏は言う。

中国の「富裕層」消費者は、また、裕福な中流層(マッキンゼーの呼び方では「マス富裕層」)と超富裕層に2分されており、2つの層の中間に位置する人々は非常に少ない。超富裕層は、資産100万ドル(約1億円)以上であり、China Market Researchのデータによれば、25万人強いるといわれている。 一方の裕福な中流層は、6,000ドルから15,000ドルを稼ぐ人々であり、2億5,000万人いる。 高級品業界は、この分布にあわせた戦略をとる必要がある。 超富裕層は、香港やヨーロッパに行く余裕があれば、値の張るほとんどの高級品を、偽物が横行している中国本土では買おうとしない。しかし、裕福な中流層は、価格の劣るものを本土の店舗で買っているようだと、Rein氏は言う。

最後に、高級ブランド企業は、成都、四川省、武漢、湖北省などの、まだそれほど発展していない都市に、富裕層顧客を偵察に行くべきである。マッキンゼーは、年間16%ずつ拡大している富裕層顧客セグメントの今後の成長の4分の3は、現在の四大都市(北京、上海、広州、重慶)以外の顧客によるものだろうと見込んでいる。現在、高級ブランド企業の多くが、北京と上海で熾烈な競争を繰り広げているが、他の都市での競争はまだそれほど激しくないと、マッキンゼーは報告している。





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