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2009/04/30


LVMHの店舗の価値

WALL STREET JOURNAL

高級業界で、今回の経済波状の影響を受けなかった企業はひとつも無い。 市場の消費が減少し、デパートが大幅な値引きと在庫減らしを行い、業界全体の第1四半期の売上は大きな打撃を受けた。

しかし、今回の不景気により、最も力のあるブランドと、その他の明暗は明らかになった。たとえばLVMHでは、時計・ジュエリー部門、ワイン・アルコール部門の第1四半期の売上はそれぞれ前年比で27%減、16%減であったが、全体の売上は、4%増であった。 これは、ルイヴィトン(Louis Vuitton)ブランドを含む、LVMHの最大部門であるファッション・革製品部門の売上が、11%増加したためであった。

同様に、グッチも、PPRにおいてずば抜けた業績をあげており、11%の売上増であった。 一方、小売全体としては売上の落ち込みがそれ以上であり、グループ全体の売上は2.6%減であった。 バーバリー(Burberry)においては、クラシックチェック製品の売上のおかげで、後半期の売上を2%伸ばすことができた。

バーバリーは一方の見方では、世界で最も強力なブランドであり、その株式は、見込み利益の14.7倍で取引されてる。一方、LVMHでは、13.8倍、PPRでは10.6倍である。

また、『卸と小売の分割』という別な観点からも、強力なブランドを考えることができる。 投資家は、ルイヴィトンをこの観点から適切に評価をしてこなかったように思われる。 ルイヴィトンの製品は、自ブランドの店舗か、デパートの中のLVMHが所有する、もしくは、運営しているブティックでしか販売されていない。

この方法は、管理費やリース費用が発生するリスクは伴う一方、価格設定を統括でき、(今後6ヶ月は続くであろう)第3者小売による在庫調整のリスクを回避できるというメリットがある。卸業は長いリードタイムが原因で市場サイクルからのずれあるため、現在、打撃を被っているが、それは今だけのものである。

バーバリーでは、卸は、通常、総売上の40%を占めている。バーバリーの卸売上は、12月末までの3ヶ月間、既存店ベースで8%増加を記録した。 その間、小売売上は、3%減少であった。 しかし、最近3ヶ月間では、小売売上は緩やかに3%の増加を見せる一方、卸売上は21%落ち込んだ。不景気により卸部門が打撃を受ける中、さらに米国の各デパートが、2009年秋冬コレクション用の在庫を20%から25%に減らしてきているのをバーバリーは経験している。

ルイヴィトンの自社店舗モデルは、売上が落ち込めばリスクを抱える事となる。しかし、現状を見れば、ブランドに対する徹底した管理が、そのようなリスクを凌いでいるようである。 市場の景気は低迷しているが、高級ブランドがしてはならないのが、値下げによりそのクオリティーを傷つけてしまうことだ。 バーバリー株がLVMHよりも好条件で取引されていることは、適切ではないかもしれない。





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