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2009/05/21
日本人の22%が65歳以上であり、スキンケア産業にとって、年配顧客は収益性の高い市場である
美肌は日本人誰もの憧れであり、中高年の富裕顧客は、美容のためならば驚くほどの価格を支払う。 資生堂によると、2万円以上のスキンケア製品の販売は、昨年24%の成長を見せた。 中には『超高級』と呼ばれる、10万円もるものまである。 たとえば、資生堂の40g入りクレド・ポー・ボーテのシネルジック・クリームや、競合であるカネボウのトワニーセンチュリーセルリズムは共に12万6,000円で販売されている。 比較的安めであるコーセーの45g入りのコスメデコルテAQクリームも、9万4,500円で販売されている。
日本の化粧品業界において、市場を牽引しているのは、スキンケア製品である。 英国の市場調査会社Euromonitorのデータによれば、昨年のスキンケア製品の市場規模は1兆5,000億円であった。 この数字は、3兆5,000億円の化粧品市場全体の42%にあたる。 ハイエンド向けの『高級化粧品』市場は、1兆4,000億円であり、市場全体の41%を占めているが、スキンケア製品の市場規模はこれに匹敵する数字である。 両市場ともすでに成熟市場であり、Euromonitorによれば、2003年から2008年の年平均成長率は、それぞれ2%、1.1%であったとのことである。
スキンケア市場における大手は、花王と資生堂の2社であり、両社で市場の3分の1を占めている。 以前は第2位であった花王は、2005年に業界第3位のカネボウを買収し、市場シェア17.5%の第1位につけている。 一方、第2位の資生堂は、市場シェア15.8%を占める。
しかし、これら大手にとっても今は厳しい状況におかれている。 スキンクリームは金よりも貴重であるなどという逸話が、実は、業界の現状は質素なものである。 資生堂の2008年の年次報告書によると、日本の化粧品市場は「実質的に成長していない」状況であり、市場シェアの「ゼロ・サム競争」が繰り返されているとのことである。 資生堂は、コスト削減やスリム化を目指して、ポートフォリオのブランドを100から21に減らしてきた。 一方、花王は、年次報告書において、主にデパート販売によるハイエンド製品と、自社セレクションブランドによるローエンド製品の成長が安定していると述べている。 また、2,000円〜5,000円の間の中間価格帯の製品は、縮小を続けているとのことである。
ラックスリサーチジャパンの白井氏によれば、富裕層と低所得者の数が増えており、所得分布が『脱中流層化』しているとのことだ。 販売チャネルその分布を反映しているのである。 「市場のフラグメンテーション(断片化)が進んでいる」と白井氏は続ける。 「数年前までは、デパートでは高級化粧品を専門に扱っている一方、ドラッグストアは『大衆向け』『家族向け』『低価格』の製品を主に扱っていました。」
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