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2009/06/09
流行好きな日本のOLやサラリーマンのランチ風景から、ルイヴィトン(Louis Vuitton)のハンドバッグやシャネル(Chanel)のジャケットが消え、ザラ(Zara)の洋服やギャップ(GAP)のジーンズに変わりつつある。 かつて、高級ブランド最大の市場であった日本は、今、それらブランド企業にとって悩みの種になっている。
コンサルタント会社のマッキンゼーによる、日本の高級製品市場に関するレポートによれば、この不況により日本の高級品消費は減少し、この消費傾向は長期化の様相を強めているという。
「この落ち込みは一時的なものでは無く、市場の長期的な動きなのです」と、Brian Salsberg氏はいう。 彼は、世界第2位である日本の高級製品市場に関するマッキンゼーレポートの著者である。
市場調査会社の矢野経済研究所に今月発表された調査結果によれば、日本の輸入高級ブランド製品の市場規模は昨年から10%減少し、1兆640億円(111億ドル)に落ち込んだ。
矢野経済研究所は、市場規模は今年さらに縮小し、1996年に記録した最大時の1億8,970億円の約半分である1億を下回るのではないかと予測している。 これは、高級ブランド品が目覚しい成長を遂げる前の20年前の水準にまで落ち込むのではないかと予測している。
モエ(Moët)からルイヴィトンまで様々なブランドを保有するLVMHグループは、第1四半期の日本での売上が、日本円ベースで18%落ちたと報告した。
世界中の高級品売上が、この不況の影響を受ける中で、ここ最近の日本市場の落ち込みは、非常に深刻で長期的になるであろうとSalsberg氏は述べている。
80年代から90年代始めにかけて、日本は世界で『唯一のマス高級市場』となり、当時、日本の消費者は、あたかも中流階級に加わる儀式であるかのように、ルイヴィトンのバッグや、エルメスのスカーフを所有していた。
しかし、安物と高級品を組み合わせて買う消費傾向と、成長を続けるスパや高級レストランなどの高級サービスとの競争が、高級ブランドに対する消費を鈍らせてしまった。
Salesberg氏は、『ばかげた数の店舗展開』を行い、『高級ブランドバブル』を生んだブランド各社に、にも多少の非があると、Salesberg氏は言う。 彼は、ブランド各社が、中国で同じ過ちを繰り返す恐れがあると警告している。
中国は、高級品市場の『成長物語』の舞台であるが、もし、日本のようにどこでもブランド品を買えるように市場を店舗で覆い尽くせば、「自己崩壊を迎えるだろう」と、Salesberg氏は述べている。
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