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2009/06/22


高級ブランド企業は、消費控えにしゃがみ込む(1)

REUTERS

米国のブランド企業や小売業が回復の兆しを見せてはいるが、高額ブランド企業、特に、車や時計など高額品を扱う企業は、少なくともあと2年は痛みに備える必要があるだろう。

店舗出店を遅らせ、広告費用を削りながら、現金の確保と経費削減に全力を尽くしていると、高級ブランド企業のエグゼクティブ達は、今月開催されたロイター・ラグジュアリー・サミットにおいて、口をそろえて述べた。

市場の消極的な傾向は、当初思われたよりももう少し長く続くかもしれない。 何千人が職を失い、経済の先行きが不透明である中で、4万ドルのショパール(Chopard)や、40万ドルのランボルギーニ(Lamborghini)の購入を考える消費者は少ない。

「この危機は非常に根が深いと思う」とランボルギーニのチーフエグゼクティブであるStephan Winkelmann氏は言う。 同社は今年30%減産したとのことである。

「多くの企業が倒産している」と同氏は述べる。

業界の専門家やアナリストの予測では、高級ブランド製品の売上は、今年、世界で少なくとも10%落込み、2010年まで低迷は続くと考えられている。

「私が思うに、少なくともあと2年は、動乱が続くだろう」エルメス(Hermes)のチーフエグゼクティブPatrick Thomas氏は語る。

スイスの高級時計メーカー、パルミジャーニ・フルーリエ(Parmigiani Fleurier)社によれば、時計メーカーの売上はこの秋、最悪の結果になるのではないかという。 小売業者はたくさんの在庫を抱え、クリスマス前にも大量発注はできないと思われる。

バーバリー(Burberry)は、『購入意欲のある』消費者はすぐには高級品ショッピングを再開しないだろうと予測する。 同社はスタッフの15%を解雇し、19%の在庫を削減した。

アメリカのファッション会社リズクレイボーン(LIZ Claiborne)は、お金に余裕のある消費者さえも節約をしているため、しばらくの間、売上は切迫するだろうと述べた。

「『これを買える余裕があるか?』が問題ではなく、『この商品はいくらで買えるのか?』が問題なのです。」 リズクレイボーンのチーフエグゼクティブであるWilliam McComb氏が言っている。

成長しているが十分ではない

長期的に見れば、高級市場は、依然魅力的である。 富裕層消費者の数は増加傾向にあり、中央アジアやシベリア、南米やインドなどの地域は、未開発なままである。

しかし、この好材料も、既存市場の損失を穴埋めするのには十分ではなさそうである。 特に、今回の景気後退により、高級ブランドグループは、新たな未開発地域への投資ができなくなっている。

「高級市場の成長には、新興市場の成長が大きく関与すると思います。 しかし、その新興市場の成長を持ってしても、今後5〜10年のマクロ経済の減速を相殺したり、過去5〜10年の高級品市場の成長を呼び戻したりすることはできないでしょう」とBernstein Research社は述べている。

<続く>

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