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2009/07/09


チョコレートは不況に強い?

4Hoteliers

多くの国において、チョコレートは『元気の源』であり、手頃なぜいたくである。 しかし、空港の高級チョコレート専門店や、免税ギフト店では、金融危機を背景に、チョコレートの販売が落ち込みそうである。

高級ブランドチョコレートの売上減少は、チョコレートメーカーにとっての危機であると、ラボバンクは「チョコレートは不況に強いのか(Is Chocolate Recession Proof?)」の中でまとめている。 ラボバンクは、オランダに本拠地を置く、農業組織向け金融グループである。

1990年代終盤から2007年まで、消費者はより高級品を求め、そのトレンドは、「プレミアムゼーション(高級化)」と呼ばれた。 そして、チョコレートメーカーは、チョコレート愛好者たちに、より高価で高級なチョコレートを買わせるための新しい戦略を展開した。

安物買いへのシフト

高額化のトレンドによって利益を上げていたチョコレートメーカーではあるが、不幸にも、チョコレートも不況の影響からは逃れられないことが示されてしまった。 今や、消費者は、以前とは逆に、より安物を求めるようになるだろうと、チョコレートアナリストであり、同レポートの作者であるMaria Castroviejo氏は、予測

している。

2009年、ヨーロッパ、及び、世界のチョコレート販売量は緩やかに減少し、これまでの金融危機よりも、大きく落ち込むであろうと、ラボバンクは予測している。 Castroviejo氏によれば、「ここ数年の高級志向を考えると、今回の経済危機は、これまでのものよりも、安物買いにシフトする余地が非常に大きい」とのことである。

新興市場の脆弱性

現在の金融情勢を背景に、新興市場、特に、東欧のチョコレート市場は大きく縮小する見込みが高く、西欧のチョコレートメーカーに影響が及ぶ可能性がある。

「東欧では、現地通貨が悪化し、不況の影響を大きくしています」と、Castroviejo氏は言う。 「西欧の大手チョコレート関連企業が、数多く、東欧に進出しており、不況の影響を受ける可能性が大いにあります。」

現在の市況から得る恩恵

しかし、全てのチョコレートメーカーが、影響を受けているわけではないようだ。 「差別化のできていなかった企業や、不況前から財務的に弱っていた会社の犠牲をもとに、市場は整理されてきました。 このような状況のおかげで、明らかに利益を上げている企業もあります。」

一部のチョコレートメーカーにとって、今の市況は、これまでには無い特別な成長の可能性を秘めている。 プライベートブランドや、スーパーマーケットブランドは、変化の早い消費材カテゴリや、板チョコ、季節チョコレートなどの特定分野で、市場シェアを伸ばしている。

「これまで、製品ラインに高級品を持ないことで批判をされていた企業が、金融危機の今でも好調です。 そういった会社は、安物買いが進んでいる現状に合った、低価格ラインを持っているからです」Castroviejo氏は言う。

「現在の不景気を乗り越えた時、トップブランドや、力のあるプライベートブランドは、これまでよりもさらに、有利な立場にいるでしょう。」

ヨーロッパのチョコレート市場

2008年、世界中で740万トンのチョコレートが消費され、ヨーロッパ単独では380万トンであった。 つまり、昨年、世界の半分以上のチョコレートが東ヨーロッパ、西ヨーロッパ、ロシアで消費された。 ラボバンクは、2008年の世界のチョコレート消費量は、小売価格で約730億ユーロ(約9兆4,700億円)と見積もっている。





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