2009/07/17

ソウルが新たな高級ブランドビジネスの拠点に

近年、韓国のさまざまな企業が、高級ブランド好きの消費者を惹き付けるために、海外の高級ブランドとの提携を進めている。

韓国内の小売企業もその例外に漏れることなく、海外の高級ブランド企業と組んで、急速にビジネスを拡大し、ヨーロッパの上流の文化を浸透させている。　フランスのジュエリーブランドのカルティエ（Cartier）は、アジア初の旗艦店にソウルを選び、プラダ（Prada）は、この４月、試験的に韓国で展示会を開催した。

不況による消費の減退にも関わらず、高級品の売上は、急激にあがっているのである。

韓国知識経済省（the Ministry of Knowledge Economy）の発表によれば、韓国国内のデパートにおける、高級品の売上は、前年比で、２月は４７．７％、３月は２３．６％、５月は１４．７％と、それぞれ増加を記録している。

「高級品は、富裕層以外からも、人気を博しています。　この不況の中でも、国内の高級ブランド市場は、これまで以上の堅調を維持しています」　Tong Yang Investment Bank のアナリストのハン氏は言う。

高級ビジネスのノウハウは、『唯一無二』のサービスを提供する韓国のサービス業から、デパート、病院、銀行にまで、広がっている。

「韓国は、世界の中でも、高級市場が急速に発展した国の１つであり、同時に、非常に興味深い市場である」と、高級ブランド研究センターHEC Parisのジャン・ノエル・カプフェレ教授は言う。

既に高級ブランド市場を確立させた日本や、これからの大きな将来性を秘めている中国などの近隣諸国に囲まれているが、韓国市場には、今、高級専門のマーケティングが、至急、必要とされている。

「（韓国では）今、さまざまなことが起きています。　今こそ、高級マーケティングのノウハウを広める時なのです」と教授は述べた。　ハン氏もこの意見に同意している。

「日本の高級ブランド市場は、1990年代をピークに落ち込んでいます。　韓国は、日本の後を追うかたちで、今、高級ブランド品がブームになっています。」

高級ブランドブームを反映して、アジア初の高級ブランドビジネス専門学校である、ソウル・ラグジュアリー・ビジネス・インスティテュート（Seoul Luxury Business Institute）が、来月、ソウル市内で開講する。

同校によれば、入学予定の学生は、将来、韓国の高級企業でマネージャーやマーケティング担当を希望する大学卒業生や、高級市場で新しいビジネスチャンスを探している経営者などである。

ソルファスの成功

消費者が高級ブランド志向になったことで、韓国国内企業も、高級ブランドの開発を始めている。

韓国化粧品会社のアモーレパシフィック社（Amore Pacific）は、高級ブランド『ソルファス（Sulwhasoo）』を立ち上げた。　ソルファスは、韓国の国内企業が、世界の高級市場をターゲット向けに作った、数少ないブランドの例である。

旗艦ブランドであるソルファスと共に、ジギョウを開始した同社は、2003年に米国、2006年に日本の市場に参入し、富裕層から、非常に高い評価を得ている。

昨年のグローバル全体での売上は、2,340億ウォン（約１７５億円）に達し、前年比３４％増であった。　来年には、世界のファッションと高級ブランドの中心地であるニューヨークにある、高級百貨店のバーグドルフ・グッドマン（Bergdorf Goodman）に、ソルファス化粧品を出店する予定である。　「かつて、シルクや陶磁器が東洋文化のイメージであったように、ソルファスは、根治、米国での高級なアジア文化の象徴となるでしょう」　同社の広報担当者であるキム氏は自身を見せる。

「韓国の伝統的医療化粧品との呼び名で、2010年の前半には、米国の富裕層市場に加わることになるでしょう」と彼女は続けた。

アモーレパシフィック社の成功の秘訣は、韓国の美の伝統を前面に出したことであると、カプフェレ教授は分析している。

「今こそ、アジア諸国が、自国の文化と伝統を見直して、独自の高級ブランドの展開に投資をする時なのです。」

教授は、また、韓国のデザイナーは、高級ブランドビジネスの専門企業と手を組むべきであると、付け加えた。

「韓国にかけているものは、ＬＶＭＨのように、高級ビジネスのノウハウを理解し、資金的な援助や、展開計画のサポートができるような企業です。　このような企業の存在がなければ、デザイナーは、デザイナーのままです。　彼らには、高級なアートを理解できるビジネスパートナーが必要なのです。」

ソウルが新たな高級ブランドビジネスの拠点に

サイト内リンク

他サイトへのリンク