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2009/08/11


欧米企業を遠ざける日本のマーケティングリサーチ市場

世界第2位の経済大国である日本には、目の肥えた1億2,700万人の消費者がおり、生活水準は高く、製造業は品質が高いことで知られている。 そのため、日本マーケティングリサーチ業界も、世界トップのレベルにあると考えるのは当然のことである。

しかし、現実はそうではない。 市場規模に比べ、日本でのマーケティングリサーチは、まだ、十分に行われていないというのが現状である(特に海外の調査会社による調査が十分に行われていない)。 実際、日本マーケティング・リサーチ協会 (JMRA)によれば、日本のマーケティングリサーチ市場は、世界で5番目の規模に過ぎない。

では、なぜ日本では、それほどマーケティングリサーチが(特に海外調査会社によって、)活発に行われていないのだろうか? それには、大きく2つの理由があるように考えられる。 1つ目の理由は、日本特有の文化的な障壁であり、2つ目の理由は、日本を他の欧米先進諸国から切り離している、言語的な問題である。 これらが原因で、インターナショナルプロジェクトを手がける世界の市場調査会社は、日本でのプロジェクトに、二の足を踏んでいるのである。

ましてや、日本企業が、国内市場のマーケティングや、PR活動を行う上でも、マーケティングリサーチは、それほど大きな役割は担っていない(特に、定性調査に至っては、実施される機会は非常に少ない)。 これが原因で、日本にはマーケティングリサーチのための『インフラ』が少なく、その価格も高めである。 これにより、ますます多くの国際的市場調査会社が、日本をインターナショナルプロジェクトの候補地から外している。

これ以外にも、日本のリサーチ市場が、他の先進諸国と異なっている点はいくつかある。 例えば、日本市場に台頭している調査会社は、ニールセンやTNSのように、世界的に大手の調査会社ではない。 日本における3大市場調査会社をあげれば、ビデオリサーチ、インテージ、電通リサーチであり、いずれも生粋の日本企業である。

確かに、マーケティングリサーチ全般に関しては、日本は少し遅れをとっているかもしれない。 しかし、オンライン調査に関しては、世界でも進んでいる市場の1つである。 2006年には、日本におけるマーケティングリサーチのおよそ30%が、オンラインで実施されていた。 そして、現在、携帯電話でのサンプリング手法が確立しつつある。

このように、日本のマーケティングリサーチ市場は、欧米のものとは事情が異なっており、日本市場でのマーケティングサーチを考える海外の市場調査会社にとっては、自国と同じアプローチを適用することが難しいのである。 具体的なアプローチは、AQR記事(Japan: a country with high standards)を参照のこと。

また、以下は、日本のマーケティングリサーチ市場に関連するデータである。


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