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2010/08/17


高級ブランドの隠れた秘密を調査が解明

news.com.au

高級品はリッチさやブランドネームを交えて買った人に夢を与えている。しかしブランディングが強い製品を購入すればするほど自分自身を安っぽく見せることになるようである。

米国で行われた調査によれば、品質が同程度の場合、ブランドがあまり前面に押し出されていない製品の方をメーカーは高い価格をつけているのだという。

世界金融危機から高級品市場が回復を見せる中でジャーナル・オブ・マーケティング(Journal of Marketing)の最新号で発表されたこの調査では、さらに高級品の購入者には4つのタイプがあることを報告している。次に示す各タイプはブランドに対する期待がそれぞれ異なるのだという。

貴族 ― 富裕層でブランドからステータスを得ることは期待しておらず、自分と同じレベルの人だけに良さが分かる製品にお金を払う

成金 ― 富裕層でブランドからステータスを得ることを大いに期待しており、高級品を用いることで自分がより裕福であることを周りの人に示している

気取り屋 ― 高級品を購入する余裕がなく、自分たちが裕福であると思う人を真似るために偽物を求めている

無産階級 ― ステータスに興味が無く、裕福でもない

調査では始め3つのタイプに複雑な相互関係があるとしており、『貴族』は派手な高級品を避け、『成金』は一貫して華やかなバッグに最も魅力を感じることを明らかにしている。

調査ではさらに、「派手な」高級品には偽造者も集まり、それを買いそうな人達に模造品を売っているとのことである。

これまで高級ブランドの排他性は、高級ブランドにとって必須の成功要因であると言われてきた。しかし誰もが高級品を手にすることができるのであればブランドで他人と差別をすることに大きな意味があるのだろうか。

高級ブランドは外部にメッセージを伝えることも魅力の1つではあるが、自分がそれにどんな価値を見出しているかが最も重要であるかもしれないとある社会学アナリストは分析している。

ブランディングが弱いほど価格は高い

『Signaling Status with Luxury Goods: The Role of Brand Prominence』の著者によれば、米国ではメルセデスベンツのエンブレムが1cm小さくなるごとに、その車の価値は平均で5,000ドル上がる傾向があるのだという。

「メルセデスは安い車に大きなエンブレムをつけている。異なるクラスの車を選ぶ人は、ブランドに対する価値観の考え方も異なることを暗に示す証拠である」と著者は述べている。

「この結果は、ブランドが目立たない車に対してより多くのお金を払ってもいいと思っている人が存在することを示しているものである。」

さらにこの著者はルイヴィトンやグッチの数百ものバックや靴を調べ、同様の結果を得ることができた。

今回の調査は、性別や製品のタイプ(定番/流行の品)に関係なくこの法則が成り立つようであるとのことが述べられている。

メルセデスベンツの広報担当によればエンブレムと価格の関係は単なる偶然の一致であり、比較されたモデルも結果にあうものが選ばれただけであると回答している。ルイヴィトンやグッチからのコメントは特に無いという。





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