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2016/07/04
4. 動機の理解
消費者の動機を理解することはマーケティングにおいて非常に重要なテーマの1つです。しかし、消費者の動機を理解するのは容易なことではありません。なぜなら、人が行動を起こす動機には様々な複合的な要因な理由が複雑に絡んでおり、必ずしもその人自身が動機を正しく理解していないからです。また、動機を正しく理解している場合でも、その人からその動機の真実を聞くことは簡単なことではありません。何か他の人に言いたくない事実がそこに隠れていれば本当の動機は話してもらえませんし、その人が動機を説明することよりも聞き手を説得させることに注力をしていれば後付けの動機がそこに加えられてしまうかもしれません。
動機を正しく理解するために必要なことは、直接動機を聞くことよりも、心理的に落ち着ける環境で、ある行動が起こされたときの行動やその時の考え、気持ちを詳しく話してもらうことです。必ずしも本人がその行動の動機を理解していなくても、様々な場面や、様々な人の行動やそれに関連する考えや気持ちを分析していくことで、何か共通する動機が見えてきます。
このような動機を明らかにするための手法として、グループインタビューは非常に有用な方法です。同様の行動を起こした参加者とのグループインタビューの環境下では、人々は他の参加者との共感の環境が芽生え、より積極的にその行動を起こした時の状況や気持ちについて詳細を明らかにしてくれます。
[調査課題の具体例]
5. 新しいアイデアの創造
グループインタビューでは現在起きていることを把握し、分析するだけではなく、これからすべきことやできることを知ることもできます。新しいアイデア創造を目的としたグループインタビューでは、自社製品やサービスに関する新しいアイデアや、新しいコミュニケーション方法や広告表現など、新たなアイデアを見つけることを目的としています。参加者には今持っている希望や願望、想像しているあるべき姿などに基づいて、様々なアイデアを導き出します。社内で考えるだけではなく、実際の利用者や外部の関係者のアイデアを用いることで、全く新たな発想を得ることも可能です。
[調査課題の具体例]
6. コミュニケーションに対する反応の確認
これは最も一般的なグループインタビューの利用方法の1つですが、広告やPRキャンペーン、パッケージデザイン、その他マーケティングコミュニケーションに対する消費者の反応を事前に調べるためのインタビューです。
マーケティングにおいてはどんな情報を伝えるかは重要ですが、それよりも、相手にどんな情報が伝わったかがより重要なポイントです。広告キャンペーンやパッケージを実際に市場に出してから、思った通りのマーケティングメッセージが伝わらなかったり、思わぬ欠陥や反感を買うような部分が見つかってしまえば、それらを回収し再度市場に出すためには膨大な労力とコストが掛かってしまいます。
コミュニケーションに対する反応を確認するためのグループインタビューでは、参加者に実際の広告や、販促資料、セールスプロモーションを見てもらい、どんなメッセージを受け取り、どんなことを理解し、どんなことに興味を持ったかを探索していきます。このプロセスを経ることでコミュニケーションの作り手には思いもよらない反応が得られる可能性も大いにあります。
[調査課題の具体例]
<続く>
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