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2010/05/20


定性調査の活用方法(2)〜さまざまな定性調査手法とメリット〜

定性調査には調査の目的により、さまざまな手法が用いられます。 その中でも最もポピュラーな方法はグループインタビューとデプスインタビューです。 これらは通常、インタビュールームと呼ばれる小型マイクとマジックミラーのついた専用の部屋で行われ、観察者はミラーの裏でマイクが拾う音声を聞きながら、対象者の様子を観察します。 特にグループインタビューは1度に多くの対象者から意見を聞くことができるため、費用に対してさまざまなアイデアを得ることができます。 一方、デプスインタビューは司会者と1対1のインタビューになるので、個人のより深い意見を聞くことが可能です。

消費者の製品の使い方や買い物の仕方を調べたい場合、インタビュールームに擬似的に製品を用意したり、店舗と同様の棚を用意することでグループインタビューやデプスインタビューでも調査は可能ですが、さらに実際に近い環境で調査をしたい場合には、自宅訪問調査や店舗動向調査などが用いられます。 ただしこれらの調査手法は、協力者を見つけることが難しいことと、調査内容の記録に工夫が必要であることから、費用は比較的高くなります。

調査手法を選ぶ際は、調査結果として明らかにしたいものしっかりと見据え、適切なもの用いるが重要です。

主な定性調査手法とその特徴
調査手法 目的 内容 参加者 メリット デメリット
グループインタビュー さまざまな意見や、思わぬアイデアを聴き取る 司会者(モデレーター)の提示する特定のテーマに沿って対象者(参加者)がディスカッションを行う。 司会者1名
対象者6〜8名程度
短期間で実施が可能
対象者の相互作用
態度や反応が観察できる
ひらめきや直感が得られる
対象者をコントロールしやすい
個人個人に深く話しを効くことができない
影響力のある対象者に他の対象者の意見がコンとロールされることがある
対象者の都合をあわせることが難しい
デプスインタビュー 深層心理や購買行動を深く詳細に聴き取る 特定のテーマに沿って1対1で対象者に意見を聞いていく。 インタビュアー1名
対象者1名
詳しい情報が聞ける デリケートな話題が聞ける
他人の意見に左右されない
対象者の都合に合わせて実施できる
対象者が1名であることから、アイデアのバリエーションは出にくく、他者との意見の相互作用も起こらないためアイデアの発展が少ない
自宅訪問調査 インタビューだけではわからない本人の自宅での意識していない深層心理を探る 対象者の自宅に訪問して特定の製品や行動習慣に関するインタビューを行い、自宅での行動を実際に観察する。 インタビュアー1名(+記録係など)
対象者1名〜
対象者の家での行動を観察することで、彼らの日々の生活をよりよく理解し、彼らが無意識に行なう行動も把握できる 対象者を探すのが難しい
訪問人数が限られる
店舗同行調査 インタビューだけではわからない本人の店舗での意識していない深層心理を探る 対象者のショッピングに同行し、製品をどのように探し、選び、購入するかを観察する。ショッピング終了後に簡単なインタビューなどを行う インタビュアー1名
対象者1名
対象者が実際にどのように買い物をし、特定のブランドを選んでいるのかをより深く理解し、彼らが無意識に行なう行動も把握できる 調査に影響を与えないような、調査の記録方法を検討する必要がある
ヒアリング調査 専門的な意見を詳しく聴き取る 特定のテーマについて有識者や専門家に対して聞き取りを行う インタビュアー1名
対象者(有識者/専門家)1名〜
対象者個人に関することだけでなく調査対象全体の傾向や、組織全体に関して話を聞くことができる 調査に協力してもらえる専門家や有識者を探すのが難しい

<続く>

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