ラックス・リサーチ・ジャパン > 市場調査・マーケティングのためライブラリ
このページでは、ラグジュアリー市場・富裕層マーケティングに関わる情報を中心に、市場調査・マーケティングに役立つ情報を紹介しております。
2016/09/07
イギリスのEU脱退による円高の影響で、訪日外国人観光客による百貨店での消費が7月、大幅に落ち込んだ。
訪日旅行客数の記録的な伸びにも関わらず、日本百貨店協会の報告によれば、外国人観光客による百貨店における消費は今年7月で4ヵ月連続で前年同月の数字を下回った。長らく続いてきた訪日観光客の増加は日本経済に追い風を与え、これまで日本の観光地を賑わせてきた。今年7月の訪日外客数は前年同月比19.7%増の229万7千人にも達している。
2016/08/19
ここ数年、日本市場は中国人旅行者による、いわゆる「爆買い」の恩恵を受けて受けてきた。秋葉原の電気街や銀座のデパートに多くの中国人旅行客がバスで押し寄せ、電気製品や高級ブランド品、日用品などを買い求める様子はもはや見慣れた光景となった。
観光庁の調べによれば、日本を訪れる中国人旅行者の数は2014年から増加を続け、2015年にはおよそ500万人にも達した。2016年に入っても訪日中国人の数は増加を続け、上半期(1-6月)の人数は前年同時期を上回った。また、訪日中国人による日本での消費額は2015には前年の154%増の1.4兆円にも達した。
2012/03/20
景気低迷にも関わらずラグジュアリーブランドグループの日本市場での売上高が増加している。しかしこれは必ずしも日本のラグジュアリー品市場が回復していることを意味している訳ではないようだ。The wall street journalが伝えている。
パリに本拠緒を置く、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンSAは、昨年の日本での売上が1年前の19.7億ユーロ(25.9億ドル)から10%増加したことを発表した。しかし、為替の影響をのぞいてみれば状況は少し異なる。固定為替レートで、事業の買収・売却の影響を無視した場合、日本の売上は1%の減少であるという。ちなみに、昨年ユーロは108.57円で始まり、12月末には100.24円にまで下落した。
2011/02/06
日本の若者は高級デザイナーブランドにはあまり興味がなく、彼らの親の世代に比べより価格重視であることを、Women's Wear Daily(WWD)が2月1日の記事で伝えた。
WWDは、コンサルティング会社マッキンゼー社による『買い物の際に"価格"を最重要視すると回答したのは、日本の50歳以上の買い物客では21%であった一方、30歳未満では30%であった』との報告を引用した。 さらに、経済の破綻により日本人1人当たりの支出は大幅に下落し、特に高級品市場はその影響は大きく受け2006年から2010年の間に23%縮小したと付け加えた。
2010/10/26
米国の小売店ではコーチのクリスティンレザーホーボーバッグは298ドルで売っている。日本では同じバッグに$711ドル(59,850円)出さなければならない。海外ファッションコラムサイトのBOFが伝えている。
この価格差は何もコーチに限ったことではなく、海外に拠点を置く高級ファッションブランドは、長い間、日本の消費者に他の市場よりもかなり高い価格を課してきたのだという。しかし今や、円高とインターネットによる世界価格の透明化により、日本の消費者はこの価格差にうんざりしている。
2010/09/26
2009年のインポート衣料品・服飾雑貨市場規模は、小売金額ベースで前年比84.1%の8,945億8,900万円に縮小したことを矢野経済研究所が「国内インポートブランド市場に関する調査結果2010」にて報告した。
同レポートでのインポートブランドとは、『EU、及び米国直輸入の「レディスウェア」、「メンズウェア」、「ベビーウェア」、「ハンドバッグ・カバン・革小物」、「靴・履物」、「ネクタイ」、「スカーフ・ショール・ハンカチ」、「レザーウェア」、「ベルト」、「手袋」の主要10分野』を指しているが、2009年の市場規模は小売金額ベースでピークの1996年時(1兆8,971億円)の半分まで減少し、市場の黎明期と言われた約20年前の水準まで収縮したという。
2010/09/24
日本国内の高級品市場は徐々に回復をしているが、高級品に対する消費者の行動や考え方に変化が起こっている―McKinsey & Companyの高級品市場に関する最新のレポートが明らかにした。
レポートによれば、日本国内のインポートブランド市場(あるいは高級品市場)は2009年には前年比16%減の99.4億ドルとなり1996年のピーク時の約半分にまで縮小した。しかし、同社が行ったアンケート調査によれば、高級品を購入する意思があるとした回答が32%を占めており、他の国に比べても中国、韓国に次いで高いなど、高級品の購買意欲に関する項目の多くについて統計的に有意義な改善を示すデータが得られたという。また、「高級品を持つことは昔ほど特別なことではなくなってきている」、「高級品をこれ見よがしに持つのは恥ずかしい」、「より安価なスタイリッシュなデザインのブランドがあるため、高級ブランドを買う必要性を感じない」などの項目で改善が見られた。
2010/07/29
日本政府が査証(ビザ)の発行基準を緩和し、中国人旅行者の新たな波が期待されている。
これにより新たに1600万世帯の中国人が観光ビザの発行を受けることができる。
2010/06/17
東京の高級ショッピング地域に店舗を連ねるデザイナーブランド企業にとって、日本市場が昨年ほど急激には縮小していないことが数少ない良いニュースである。
長らく世界の高級品消費の中心でにいた日本人は、今では財布の紐をきつく締め、小売業者は年々増えつつある中国人旅行者に期待を寄せている。
2009/08/26
東京は、アジアのファッション中毒の街として、かつて世界的に有名であった。 東京では、『買い倒れるまで買う』という消費行動はいまだ健在であるが、今では、さらにその消費行動は、嘲笑の対象となっている。
東京の人々の過剰消費の傾向は、もはや羨望のまなざしではなく、笑いを引き起こすものとして見られている。 ことし始め、東京在住の33歳の女性が、自宅ワンルームマンションに、デザイナーシューズや、バッグ、洋服をぎっしり詰め込み、仕舞いには、玄関を自分では見つけることができず、バールを持ったテレビクルーに助け出されるという内容が、バラエティーショーで放送されていた。
2009/06/09
流行好きな日本のOLやサラリーマンのランチ風景から、ルイヴィトン(Louis Vuitton)のハンドバッグやシャネル(Chanel)のジャケットが消え、ザラ(Zara)の洋服やギャップ(GAP)のジーンズに変わりつつある。 かつて、高級ブランド最大の市場であった日本は、今、それらブランド企業にとって悩みの種になっている。
コンサルタント会社のマッキンゼーによる、日本の高級製品市場に関するレポートによれば、この不況により日本の高級品消費は減少し、この消費傾向は長期化の様相を強めているという。
2009/06/04
ブランドオフは、アジア展開を行っており、昨年には、香港に第一号店を開店させた。 また、香港を拠点とする中古高級品小売のMilan Stationは、中古ブランド品の売れ行きが好調であることを報告している。 同社のCMOのTony Chan氏は、「経済危機にも関わらず、現在10の店舗を持つMilan Stationは、1年前の同時期と比べ、業績が5%〜7%伸びています」と述べている。
これらを背景に、消費者が高級ブランド品を簡単に手に入れられるようになり、高級ブランドの特別感が薄れていることが高級ブランド企業にとっての問題となっている。 また、高級ブランド企業は、自社製品と顧客との関係を、もはや、コントロールすることもできなくなっている。 「多くの高級ブランドが、顧客との関係をコントロールするために、小売業に進出しています」と、シンガポールInterbrand社のマーケティング・ディレクターであるMike Langton氏は述べる。 「ブランド各社にとって、製品を売ることは、単なる販売ではなく、『販売セレモニー』なのです。」
2009/06/02
不況の影響を受けて、中古品やレンタル品にシフトする、ブランド愛好者
高級ブランド製品は、これまで不況知らずであった。 しかし、今はそれどころではないようだ。 高級ブランドが一般化してから数年、高級ブランド顧客は、向こう見ずにお金を浪費する余裕が無くなってしまった。 2009年上期のブランド品の世界売上は15%〜20%の減少が見込まれており、アジアの主要市場である日本でも、10%の落ち込みが予測されている。
2009/05/06
フォーエバー21の店舗は巨大であり(彼らは多種多様な商品在庫を持ち、それらを頻繁に入れ替えている)、日本の都市部でそのような大区画の土地を探すことは容易ではなかった。 原宿に見つけた19,000スクエアフィートの店舗区画は、昨年開店したニューヨーク・タイムズ・スクエアの店舗のたった5分の1でしかないと、社長のAlex Ok氏は述べた。 とはいえ、探していたものは見つかり、彼は今、日本の倹約市場に入り込む自身を見せている。 「グッチのハンドバックと、フォーエバー21のトップ」、Ok氏は言う。 「これが買い物通の消費者の考え方だ。」
今回オープンした店舗は、始まりに過ぎないとフォーエバー21は考えている。 同チェーンは、昨年、タイ、韓国、中国に店舗をオープンさせ、今や世界13カ国に、460店舗ある。 フォーエバー21エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントであるLawrence Meyer氏によれば、同社はさらに日本で100店舗をオープンさせる計画であるという。 不景気は関係ない。 「女性はいつも買い物をしたがっている」と同社の日本市場アドバイザーののWedda Uyeda氏は言う。 「皆、キャンディー屋にいるように買い物を楽しみたいのです。日本のどの会社もそのことに気づいていないと思います。」
2009/05/05
東京原宿エリアには、流行に敏感な若者達が常に集まっている。 歩道は、毎週末、新たなトレンドを探す熱狂的な買い物客で埋め尽くされる。
最近のトレンドは、ファスト・ファッション(※)小売である。 今週、ゴールデンウィークが始まり、人気の商品とともに、ロサンゼルスを拠点とするチェーンのフォーエバー21(Forever 21)日本に旗艦店をデビューさせた。 若い女性を卒倒させる暗い眩いばかりの洋服、靴、アクセサリーのぎっしり詰まった5フロアに、原宿を訪れる女性達は列を作っている。 しかし、安くてオシャレな大型チェーンが東京を席巻したのはこれが始めてではなかった。 昨年11月、ちょうど隣に構える世界第3位のスウェーデンの衣料小売であるH&Mがオープンし、約2,500人もの買い物客が今回と同じ歩道を占拠した。 そして、そのさらに1ヶ月前には、英国の小売であるTIPSHOPが、数軒先に新店舗をオープンさせていた。
2009/01/19
「世界で唯一のマス高級市場」と揶揄される、ブランド商品に強い嗜好を持つ日本市場は、これまで世界の高級品業界において最前線の重要市場であり続けてきた。その日本市場も、ここのところ陰りが見られる。市場が成熟しているこの日本の高級市場では一体何が起こっているのであろうか?
世界で唯一のマス高級市場
2009/01/03
ベイン&カンパニーの高級品調査第7版によれば、世界の高級品市場の成長は、年末に大きく減速し、2009年は過去6年ではじめての景気後退に向かうが、「ニューラグジュアリー」として今後上向く傾向にあるだろうと長期的には楽観的な予測がなされている。
ニューヨーク(2008/10/29) ― 高級品市場は、これまで景気変動の影響を受けることは無いと見られていたが、今回の世界的景気減速の影響を受け始めており、2009年には、不景気に突入する。これは、ベイン&カンパニーの高級品世界市場研究(Bain & Company's Luxury Goods Worldwide Market Study)第7版の調査結果によるものである。しかし、一方、今後5年の富裕層による高級品消費は上昇傾向にあり、ブラジル、ロシア、中国、インドなどの新興市場での+20%〜+35%程度の上昇に加え、全市場での個人資産の増加や、世界GDP成長、世界的な旅行者の増加などが予測されている。これらの傾向により、世界高級市場長期予測調査では、楽観的な見通しがなされている。
2008/12/30
ルイヴィトン(Louis Vuitton)は、世界最大の高級ブランド企業、LVMHに属しているが、2002年、東京・表参道にルイヴィトンの巨大店舗ができた時、何百もの人が列を作った。さらに、初日の売上は、100万ドルを超えた。これは、日本人が明らかに高級品に対して貪欲であったこと象徴しているというよりも、高級品に対する購買意欲が減退していることを示していた。日本市場は、長らく高級品の売れ行きがもっとも良い市場であったが、ここのところ勢いは衰えてきている。多くのブランドは、過去5年間横ばいであったが、今年の売上は劇的に落ち込んだ。エルメス(Hermes)、グッチ(Gucci)、ティファニー(Tiffany)、シャネル(Chanel)、カルティエ(Cartier)は危機的な状況だ。LVMHの日本での売上は、今年前半期で、6%落ち込んだ。今年は、LVMHが1978年に日本に進出して以来、初めての業績悪化になるかもしれない。